豪ドル・円:材料不足で狭いレンジでのもみ合い相場に

  • メインターゲット:88.50(11/20、90.00からダウン)
  • サブターゲット:86.20(11/20、87.00からダウン)

テクニカル:25日線と75日線の狭いレンジ推移に

豪ドル・円の日足チャートでは、200日移動平均線まで上昇し、1豪ドル=90円台を回復する場面が見られましたが、原油価格低迷などが影響(オーストラリアは資源国ですので、豪ドルは資源関連の値動きに左右されがちです)して90円台を維持することはできず利益確定の流れに押されています。ただ、75日移動平均線が支持線として意識されて足元は下げ止まっています。

75日移動平均線は、10月から11月にかけて抵抗ラインとして意識されていましたが、11月中旬にこの水準を上抜けた後は、逆に支持線として機能しています。こうしたケースは上昇している相場でよく見られます。

市場で抵抗ラインとして意識されていたということは、投資家が注目していた水準だったことを意味します。こうした水準が支持線に転換することで徐々に下値を切り上げる上昇トレンドが発生するわけです。

このロジックですと、12月初旬に跳ね返された200日移動平均線を上抜ければ、今後の支持線として機能する可能性があります。

ただ、さすがに1-2週間でそうした水準まで上昇するには現在は材料不足です。まずはその手前の節目を意識といったところでしょうか。メインターゲットは25日移動平均線レベルの88円50銭台とします。一方、75日移動平均線を割り込んでも、さほど慌てる必要は無いと考えています。なぜなら18日の下ひげ86円20銭レベルがサポートとして意識されるからです。今回はこの水準をサブターゲットとします。

ファンダメンタルズ:豪準備銀行は金利引下げの必要性は無いと判断

15日にオーストラリア準備銀行(中央銀行)は、1日に開催した理事会の議事要旨を公表しました。

「足元の経済トレンドが明るいことから、追加の刺激策を講じる必要性はないと判断し、金利の据え置きを決定。同時に、刺激策が必要な場合には金融政策を緩和する「一定の余地」があるとも指摘」

といった内容でした。この内容を解釈しますと、「追加の刺激策」つまり金利引下げの必要性はないとの見識を持っているということです。アメリカが金利を引き上げたことで、金利の引上げ・引下げの話がよく新聞等でも取り上げられています。

為替の世界では

・金利を引上げた国の通貨は買い
・金利を引下げた国の通貨は売り

という大きな流れがあります。

こうした流れのなか、オーストリラリアは金利の引下げは必要性が無いと言っていますので、豪ドルが現在の水準から大きく売られる可能性は低いと考えることができます。


(※1)支持線(サポートライン)、抵抗線(レジスタンスライン)

支持線とは株価がこの線の近くまでくると「下げすぎでは?」と下げ渋り、反発となるラインを指します。主に2つ以上の右肩上がりの谷が必要で、その谷同士を結ぶことによってラインができます。ちなみに山同士を結んだラインは抵抗線といいます。

下ひげ(下影陽線、下影陰線)

上昇を暗示するローソク足。売りを受けて下落したものの、売り一巡後は買い方に押され反発した形状。影(ひげ)が長ければ長いほど下落が強かったことを意味する。下落局面の株価が安値圏で下ひげを残すと大底を打ったと見られるケースが多い。


執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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