ドル・円:日銀マイナス金利導入で市場は乱高下
- メインターゲット:121.50円(1/15、119.30円からアップ)
- サブターゲット:118.50円(1/15、116.20円からアップ)
テクニカル:25日線と200日線に挟まれた展開に
ドル・円は、日本銀行がマイナス金利を導入(ファンダメンタルズで説明)したことから、円売り・ドル買いが加速し、一時75日移動平均線120.70円台を突破①し、約1ヶ月半ぶりに121円台をつける場面が見られました。その後は200日移動平均線に到達②したことで達成感が意識されて上げ幅を縮小し上ヒゲを残す格好③となりましたが、13時30分時点では、1ドル119.70円台と前日比では1円ほど円安な水準で推移しています。市場はとても荒い値動きとなっていますが、上値抵抗線だった25日移動平均線が下値支持線に変わること④で反発基調は継続すると見ています。
ただ、今回の金融政策はサプライズ感が強い内容となったことから、市場が内容を消化するには少々時間がかかるかもしれません。ということは積極的に売買を手掛ける動きは控えられる可能性があります。商いが減少するような局面では、上値抵抗線や下値支持線などの節目で止まる傾向があります。そこで、今回のメインターゲットは200日移動平均線の121.50円。サブターゲットは25日移動平均線の118.50円とします。
ファンダメンタルズ:日銀はマイナス金利を導入
注目された日本銀行は29日の政策委員会・金融政策決定会合において、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入することを決定しました。2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するため、今後は「量」・「質」・「金利」の3つの次元で緩和手段を駆使して、金融緩和を進めるとしています。
■「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入
・日銀当座預金に-0.1%のマイナス金利を適用。今後必要な場合さらに金利を引き下げる。
・欧州(スイスなど)で採用されている階層構造方式とした。具体的には3つの階層毎に、プラス・ゼロ・マイナス金利とする。
といった内容です。
銀行が日銀当座預金に預けていた金利をマイナス金利としたのですから、銀行はお金を日銀に預かってもらうには金利を逆に支払う必要がでたのです。銀行からすると預けると金利分が損失となってしまうので、銀行は日銀に預けていたお金をどこか別の運用をする必要が発生します。この別の運用が新たな融資につながるというロジックです。発表直後の株式市場で不動産株が上昇している背景はこうした流れがあるのです。
執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之
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