ポンド・円:国民投票を控え積極的な買いは手控えで

  • メインターゲット:164.00円(5/13、163.00から引き上げ)
  • サブターゲット:159.00円(5/13、154.00から引き上げ)

テクニカル:上値抵抗ラインの164.00円レベルで反発一服か

足元のポンド・円は反発基調が続いています。NY原油価格が1バレル50ドル台にのせるなど原油価格の上昇がポンドの買い戻しを誘っているようです。6月23日のEU離脱の是非を問う国民投票に対する警戒感は残ったままですが(詳細はファンダメンタルズにて)、150円割れを回避したポンド・円はしっかりとした推移が見られます。

日足の一目均衡表では、雲上限を上抜けているほか、遅行スパン(※1)は好転を維持しています。上値抵抗ラインである3月戻り高値164.00円レベルを上抜けることができれば、反発基調が一気に強まる可能性もありそうですが、最大の買い材料である原油価格の上昇が一服する可能性が高いこと(6月にOPEC総会を控えているので様子見が強まる)で164.00円を超えるような強い動きは厳しいと考えています。

今回は、164.00円をメインターゲットに設定しますが、メインターゲットに到達した後は反落を想定します。その際の下値メドとして75日移動平均線が位置する159.00円レベルが意識されるでしょう。今回はこの水準をサブターゲットとします。


※1遅行スパン
当日の終値を26日前に記入します。
「前日比」は当日の価格と前日の価格を比較したものですが、「遅行線」は当日の価格と26日前の価格を比較していることになります。

先行スパン1
基準線と転換線の中心を、26日先に先行させて記入します。
基準線は過去26日間の中心、転換線は過去9日間の中心ですが、先行スパン1はそれぞれの中心となります。

先行スパン2
過去52日間の最高値と最安値の中心を、26日先に先行させて記入します。
先行スパン1と先行スパン2に囲まれた部分を「雲」と呼びます。

ファンダメンタルズ:世論調査に一喜一憂のポンド

英国では6月23日に欧州連合(EU)からの離脱を問う国民投票が控えています。国民投票まで1カ月を切り、選挙の行方がより意識されやすい状況となっているなか、英フィナンシャル・タイムズ(FT)の調査によると、5月19日時点で残留派が47%、離脱派が41%。若干、残留派が優勢と見られていますが、英国では、年配の方が離脱を、30歳以下の方は残留を支持する傾向があるようです。生まれたときからEUが存在していたかどうかがポイントのようです。天候不順で投票に行く人が減少し投票率が下がると年配の方が支持する離脱派が相対的に票を伸ばす可能性があります。現在、残留派がやや優勢となっていても、当日の天候次第でひっくり返されてしまいますのでキャメロン政権は気が気ではないでしょう。

そのようななか、英中銀は5月12日に開催した金融政策委員会(MPC)で、EU離脱の場合は通貨安内需の落ち込みにより成長率低下とインフレ率上昇の可能性を示しました。EU離脱が英国経済に与えるマイナスの影響は大きく、欧州全体に影響が波及するかもしれません。世界を代表する金融街シティが揺れる状態となれば、マイナスの影響は世界にも波及するかもしれません。投票まではメディアから発表される世論調査の数字にポンドは一喜一憂の展開となるでしょう。




執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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