カナダドル・円:イエレン講演が期待外れでも原油価格が下支えに

  • メインターゲット:80.00円(1/22、84.50円から引き下げ)
  • サブターゲット:76.50円(1/22、80.00円から引き下げ)

テクニカル:ミニ三角もち合いを形成、上放れを試す展開に

久しぶりのカナダドルです。前回は1月でしたので約半年ぶりとなります。足元のカナダドル・円を日足チャートで見ますと、25日移動平均線に頭をおさえられた格好となっていますが、6月24日の安値76.21円を起点に下値をじりじりと切り上げ、ミニ三角もち合いのような形状となっています。短期的にもち合いを上放れるかどうかは、今晩のジャクソンホールの年次シンポジウムでのイエレンFRB議長の講演内容(ファンダメンタル参照)にかかっているでしょう。

仮に、講演内容で売り優勢となったとしても、NY原油価格が反発基調となっていることが材料視されて下押し圧力はさほど強まらないと見ます。カナダドルと原油価格は相関性が高いのですが、足元、ジャクソンホール会合への関心が高まっていることで動意薄となっています。NY原油価格は9月末に開催されるOPEC非公式会合までは、増産凍結への思惑からしっかりとした推移が続くと見ています。

メインターゲットは、25日移動平均線上抜けた後の心理的な節目である80.00円とします。一方、もみ合い下放れとなったとしても、7月や8月の安値水準である76.50円レベルがサポートとなると見ます。この水準をサブターゲットとします。

ファンダメンタルズ:注目のイエレンFRB議長講演は日本時間26日23時から

米ウィスコンシン州のジャクソンホールで、年次シンポジウムが25日から27日まで開催されます。先週辺りから、ダドリーNY連銀総裁や、フィッシャーFRB副議長などFRB幹部から、早期の利上げを示唆するようなタカ派な発言が続いています。25日には、ジョージ米カンザスシティ連銀総裁が「段階的に利上げする時期を迎えている」との見方を示したほか、カプラン米ダラス連銀総裁は「遠すぎない将来に行動する方向に動きつつある」と述べています。

何やらFRB幹部が一斉にタカ派色を強めたような状況です。シンプルに表現しますと、「タカ派=早期の利上げ実施」つまり強気なスタンスです。一方、「ハト派=利上げ実施に慎重」つまり弱気という流れです。

市場関係者の多くは、日本時間26日23時から行われるイエレンFRB議長の講演内容を確認したいと考えているようです。講演がタカ派寄りの内容になると想定している一部の投資家はドル売りを手控えていると見られます。一方、25日のNY外為市場では、経済指標の改善や米長期金利の上昇を意識してドルは底堅い動きを見せていました。

イエレンFRB議長の講演がハト派寄りの内容だった場合、ドル売りが強まるとの見方が多いのですが、年内利上げの可能性が消滅するような見解が表明されなければ、金利先高観は後退せず、ドルは強い動きを見せるものとみられています。原油や米国株の反応は無視できませんが、弱気なハト派発言にも関わらず、米国株、原油が小幅安にとどまった場合は、ドルが盛り返す可能性もあります。今晩23時のイエレンFRB議長講演前後は、為替が大きく動きそうです。



執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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