豪ドル・円:原油価格反発を背景に動意付くか注目

  • メインターゲット:80.00円(8/12、80.00と同じ)
  • サブターゲット:76.00円(8/12、77.00からダウン)

テクニカル:上値抵抗突破を試す展開に

足元の豪ドル・円は、7月高値81.51円を起点とした上値抵抗線レベルに頭をおさえられています。29日にこの上値抵抗線や75日移動平均線を突破するような場面が見られましたが、買いは続かず上影(上ヒゲ)を残しました。ただ、豪ドルとの相関性が高い原油価格は反発基調が強まりそうな状況です(詳細はファンダメンタルズにて)。

日足の一目均衡表では、雲上限、基準線(※1)でのもみ合いとなっています。遅行スパン(※2)も好転していることから、この水準を上放れると上への動きが強まる可能性があります。9月高値79.13円を上回る80円台回復を期待したいところです。7月20日に80円台を割り込んだ後の豪ドル・円は、76円から79円のレンジで推移していました。三角もち合いのような形状にも見えますので、そろそろ上放れを期待したいところです。

今回のメインターゲットは、あらゆる上値抵抗からの上放れを想定し、上記にある通り心理的な節目である80.00円とします。一方、原油価格の失速などマイナス要因発生で売り圧力が強まった際は、8月、9月安値の76.00円が下値支持線として意識されるでしょう。この水準をサブターゲットとします。

※1基準線
過去26日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線で、中期的な相場の方向性を示します。
例えば、ドル・円相場の過去26日間の最高値が120円、最安値が100円だった場合、基準値は110円となります。

※2遅行スパン
当日の終値を26日前に記入します。
「前日比」は当日の価格と前日の価格を比較したものですが、「遅行線」は当日の価格と26日前の価格を比較していることになります。

転換線
過去9日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線で、短期的な相場の方向性を示します。

先行スパン1
基準線と転換線の中心を、26日先に先行させて記入します。
基準線は過去26日間の中心、転換線は過去9日間の中心ですが、先行スパン1はそれぞれの中心となります。

先行スパン2
過去52日間の最高値と最安値の中心を、26日先に先行させて記入します。
先行スパン1と先行スパン2に囲まれた部分を「雲」と呼びます。


ファンダメンタルズ:8年ぶりの減産合意で原油価格は上昇が続く可能性も

アルジェリアの首都アルジェで、26日から開催されていたOPEC諸国とロシアによる増産凍結に向けた産油国会合では、増産凍結合意に至りませんでした。ただ、28日に開催された石油輸出国機構(OPEC)の非公式会合では、中心的な存在であるサウジアラビアが方針を転換したことから、8年ぶりに減産合意となりました。> 今回、OPECの減産合意はあくまでも暫定合意で正式な合意ではありません。正式なOPEC生産枠と各国の目標生産量などは、11月30日に開催されるOPEC通常総会で話し合われる予定です。市場では、原油市場の盟主ともいえるサウジアラビアがどれだけの減産に応じるかが注目されています。

サプライズの減産合意を受けて、NY原油価格は反発基調が強まっています。30日12時時点では、1バレル47.5ドル台で推移しています。上値抵抗ラインだった6月の年初来高値51.67ドルを起点とした上値抵抗ラインを上抜きました。減産に関する話し合いは過去2年半ほど行われましたが、これまでの会合ではずっと見送りとなっていました。その度に原油価格は失望売りを浴びていました。今回は減産合意で買いが入っていますから、年初来高値を上回る可能性もあります。資源通貨として位置付けられている豪ドルはしっかりとした推移が見られるかもしれません。

執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

【情報提供】株式会社フィスコ FISCO Ltd.

  • 本レポートは、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
  • 本レポートに掲載される情報は株式会社フィスコ(以下「フィスコ社」という)が信頼できると判断した情報をもとに作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、フィスコ社は保証を行っておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。
  • 本文、データなどに関しては、著作権法などの法律、規制により知的所有権が保護されており、個人の方の本来目的以外での使用や他人への譲渡、販売、コピーは認められていません(法律による例外規定は除く)。
  • 本レポートに掲載される為替レートは、フィスコ社が独自に取得した情報であり、じぶん銀行の為替レートとは異なります。
  • 一目均衡表の著作権は、株式会社経済変動総研に属します。

以上の点をご了承の上、ご利用ください。

じぶん銀行からのご注意

  • 本画面に掲載されている情報は、じぶん銀行の見解を代弁したものではなく、じぶん銀行がその正確性、完全性を保証するものではありません。

以上の点をご了承のうえ、ご利用ください。