ポンド・円:緩やかな下落が続く可能性は高いが、一段安は回避か

  • メインターゲット:137.00円(3/3、136.46円から引き上げ)
  • サブターゲット:141.00円(3/3、134.50円から引き上げ)

テクニカル:三角もち合い下放れか?

足元のポンド・円は、139円前後で推移しています。25日移動平均線に頭をおさえられた格好でじりじりと切り下がる200日移動平均線に沿った弱いトレンドが続いています。昨年12月高値と1月安値をそれぞれ起点とした三角もち合いを下放れました。

しかし、通常、三角もち合いが下放れるタイミングでは、出来高を伴い下げ幅を拡大するケースが多いです。今回、足元のじりじりとした下落を見る限りさほど勢いは感じられません。現状の下げトレンドが強まっていないことから、さほど下落しない可能性があります。

テクニカル的には緩やかな下落が続きそうな状況といえますが、トレンドが弱いことから下値は限定的と考えます。1月16日の136.46円手前辺りが下値メドでしょうか。ただ、この水準を割り込んだときは、本格的な下げトレンドのスタートと考えたほうがよさそうです。一方、上値は重そうですが、サブターゲットは75日移動平均線が位置する141.00円あたりとします。

ファンダメンタルズ:メイ首相ついにEU離脱を通告

英国のメイ首相は、欧州連合(EU)基本条約50条を発動し、EUから離脱することを正式に通知しました。市場関係者の間では、EUからの離脱に関する英国とEU側の交渉は難航するとの見方が多くなっており、足元高まりつつあった欧州中央銀行(ECB)の早期利上げ観測は後退。ユーロは対ドルで軟調な推移となっています。

英国はEUとの自由貿易協定の締結を望んでいると伝えられていますが、EU側が英国の要望を全面的に受け入れることはないとみられています。つまり妥協点を見出すことは容易ではないようです。また、交渉期間は、2019年3月末までの2年間とされていますが、一部の市場関係者は「ドイツ連邦議会選挙が実施される9月まで、交渉は進展しない」と指摘しています。4月から9月くらいまで本格的な交渉は回避されるとの見方です。

となりますと、実質的な交渉期間は1年半未満となる可能性があります。2019年3月末までに英国がEUからの離脱手続きを完了できないことを想定しておいたほうがよさそうです。大きな不透明要因が残っている状況下、積極的な買いは手控えられるかもしれません。


執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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