ユーロ・円:週明けのユーロ相場は乱高下必至か

  • メインターゲット:120.00円(12/22、124.10円から引き下げ)
  • サブターゲット:114.85円(12/22、120.00円から引き下げ)

テクニカル:200日移動平均線に跳ね返される格好に

足元のユーロ・円は117円台で推移しています。3月13日につけた122.89円をピークに下げトレンドが強まり右肩下がりの展開となりましたが、115円台割れのタイミングで下影(下ひげ)(※1)を残し反発に転じています。週末の重要イベント(詳細はファンダメンタルズを参照)を控え、ポジションを調整する動きが入っているようです。

反発後、200日移動平均線に跳ね返されています。重要イベントを前にしたポジション調整ではこうした節目を上回るのは難しいでしょう。新規のユーロ買いなどが入るには、イベントを無事に通過する必要があります。

週初のユーロ・円ですが、上下に大きく振れる可能性があります。これはユーロ・円に限ったことではありませんが、重要イベントの震源地ですので乱高下は避けられないでしょう。波乱の展開が想定されそうなときにはポジションをうまくコントロールすることが重要となります。現在、ユーロ・円のポジションを持っている投資家の方は、これ以上下がるのであれば売る注文、つまり逆指値を入れるといいでしょう。メインターゲットは、75日移動平均線が位置する120.00円サブターゲットは直近安値である114.85円を想定しますが、急落した場合、この安値を割り込む動きが入るかもしれませんので注意が必要です。

※1下ひげ(下影陽線、下影陰線) 上昇を暗示するローソク足。売りを受けて下落したものの、売り一巡後は買い方に押され反発した形状。影(ひげ)が長ければ長いほど下落が強かったことを意味する。下落局面の株価が安値圏で下ひげを残すと大底を打ったと見られるケースが多い。

ファンダメンタルズ:マクロン氏が決戦投票に進むかに注目

フランス大統領選の第1回投票が週末に迫っています。欧州連合(EU)離脱を掲げる国民戦線のルペン党首と中道系独立候補のマクロン前経済相が5月7日の決選投票に勝ち進む、とのメインシナリオに不透明感が増しています。直近の支持率調査で、急進左派・左翼党のメランション元共同党首への支持が急速に広がっているためです。メランション氏もルペン氏同様、EU離脱を掲げており、ユーロの先行きを懸念した売りが強まりました。足元では、アジア地政学リスクによる円買いもあって、ユーロ・円は今週に入って一時115円を割り込む場面もありました。

ただ、一部外為ディーラーはユーロ・円について「いくらリスクがあるからといって、この水準は低すぎる」と指摘しています。115円を割り込んだ後は反発に転じ、21日10時時点では117円台まで戻すなど、一部買い戻すような動きもみられます。選挙結果を前にポジション調整といったところです。

大統領選の結果が伝わるのは日本時間24日辺りでしょう。昨年6月の英国EU離脱の是非を問う国民投票、そして、同11月の米大統領選の結果を受けて、株安、円高に振れた場面を投資家は鮮明に記憶しているはずです。マクロン氏が決戦投票に進むかどうかが、大きなポイントとなるでしょう。

執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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