ユーロ・円:政治リスク後退でユーロ買い強まる格好に

  • メインターゲット:130.00円(4/21、120.00円から引き上げ)
  • サブターゲット:120.00円(4/21、114.85円から引き上げ)

テクニカル:中期的には戻りを試す展開が継続

足元のユーロ・円は反発基調が強まっています。政治リスクの後退(ファンダメンタルズを参照) が材料視されて買戻しが強まったようです。昨年12月の戻り高値124.10円を上回ったことから、16日には125.82円と昨年4月以来の水準まで上昇しました。

日足チャートでは、上げ一服のような状況となっていますが、週足チャートで見ますと戻り高値をクリアしていることから、上へのバイアスが強まりそうな状況にあります。13週移動平均線や26週移動平均線など主だった上値抵抗ラインを既に上回っていますので、200週移動平均線を意識した上昇が期待できそうです。

利益確定の流れも強まり多少はもみ合いとなるかもしれませんが、中期的な反発基調が強まっていることから、目先のターゲットは心理的な水準でもある130.00円と考えます(メインターゲット)。今回は週足チャートを用いていますので1週間という期間ではなく1ヶ月ほどの期間をみていきたいと思います。

一方、6月のフランス議会選でマクロン大統領が支持基盤の構築に失敗などといったネガティブなニュースが伝わった際、ユーロは売り優勢となるでしょう。オランダやフランスの選挙の流れを考慮するとネガティブな可能性は低いとみますが、こうなった場合は120.00円水準までの調整もあるかと考えます。こちらをサブターゲットとします。

ファンダメンタルズ:ロシアゲート問題の長期化はユーロ買いの材料に?

注目されたフランス大統領選挙の決選投票では、親EUで中立派のマクロン氏が勝利しました。大型連休明けの東京株式市場は、この材料を受けて買い優勢となりました。為替市場では、ユーロが対主要通貨で強い動きを見せています。

また、9月に総選挙を控えているドイツでは、14日に州議会選が実施されました。結果、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)が州与党・社会民主党(SPD)を破り、第1党となりました。ドイツで人口最多の同州の議会選での勝利を受けて、9月の連邦議会選挙で与党続投に楽観的な見方が浮上しています。欧州でもポピュリズムが台頭するとの警戒感が一気に後退。こうした流れが足元のユーロ堅調の材料となっています。

そして、トランプ米大統領がロシアに機密情報を漏えいしたとの疑惑「ロシアゲート」がくすぶっていることも注目材料といえます。米経済政策への期待が後退していることでドルが弱く、相対的にユーロに資金が向かいやすくなっています。ドル売りユーロ買いが進むことで、円安ユーロ高の下支えとなるロジックです。「ロシアゲート」の長期化はユーロ堅調の材料となるかもしれません。

執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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