2017年6月16日号

(2017年6月16日~2017年6月22日)

AUD/円

上値抵抗ライン突破を意識、豪ドルへの関心を高めたいところ

  • レンジ上限
    86.00豪ドル

    (5/26時点の84.50豪ドルを引き上げ)
  • レンジ下限
    83.00豪ドル

    (5/26時点の81.50豪ドルを引き上げ)

テクニカル

レンジ相場からトレンド相場への転換を試す展開に

・レンジ上限の84.50円に接近中
・上値抵抗ラインを上回るとトレンドが強まる可能性
・3月以来の86.00円台を意識へ

足元の豪ドル/円は、ここ数ヶ月82円から84円の狭いレンジ相場が続いていましたが、1ヶ月ぶりにレンジの上限に接近しています。上値抵抗ラインである4月と5月の高値である84.50円水準をクリアできるかが今後のポイントとなるでしょう。

日足の一目均衡表では、雲上限を意識した展開となっています。遅行スパンは実線でもみあっていますが、転換線が基準線を上回る可能性が高まっています。今後、方向性を示す基準線が上向きとなれば、上昇トレンドは強まるでしょう。

今後、経済情勢を材料視した豪ドル買い(詳細はファンダメンタルズ)が活発化し、レンジ上限を上放れると想定します。レンジ相場からトレンド相場に転換すると上昇トレンドが強まる可能性もあります。3月戻り高値である85.70円台を通過点に、3月下落前の水準である86円台を回復する動きも期待できます。

上記の流れを考慮し、レンジ下限は雲下限である83.00円水準とします。一方、レンジ上限は86.00円とします。

ファンダメンタルズ

堅調な国内と中国経済を背景に関心が集まる可能性も

・豪雇用統計は予想上振れ
・関係の深い中国経済は堅調
・原油や鉄鉱石の価格には要注意

15日の10時30分に発表されました5月のオーストラリア雇用統計は、前月比で4.2万人増と市場予想(同1.0万人増)を大きく上回る内容となりました。この内容を受けて、市場では、オーストラリア中央銀行が利下げに踏み切る懸念が低下したと受け止められ、豪ドルは買い優勢となっています。米ドルが対円で買い戻されたことも加わり、豪ドル/円は84円台を回復しています。

豪ドルが買われた背景として、貿易関連のつながりが非常に深い中国の経済情勢が堅調に推移していることもあげられます。足元では、7日に経済協力開発機構(OECD)は、中国に対して、現代版シルクロード構想「一帯一路」に関連したインフラ投資加速が景気拡大を支え、消費の伸びは安定が続くと予想しています。また、世界的な需要回復が輸出を支えるとも指摘しました。

オーストラリア国内の経済情勢と中国景気の両輪で豪ドルは今後強い動くを示す可能性はあります。原油価格や鉄鉱石の価格を注視する必要はありますが、投資家に人気のオセアニア通貨が動きだすと積極的に売買を実施する投資家が戻ってくるかもしれません。

執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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