2017年6月23日号

(2017年6月23日~2017年6月29日)

CAD/円

早期利上げ期待を背景に反発基調は継続へ

  • レンジ上限
    86.50円

    (1/27時点の89.00円を引き上げ)
  • レンジ下限
    82.00円

    (1/27時点の86.30円を引き上げ)

テクニカル

雲上限突破で上値抵抗ラインを意識した展開へ

・雲上限をサポートとした反発へ
・昨年12月からの調整局面は転換した可能性
・上値抵抗ラインの86.50円を意識へ

足元のCADドル/円は、5月戻り高値83.73円を上回るなど反発基調が見られます。昨年12月の88.92円を起点とした調整トレンドが続いていましたが、100日移動平均線や200日移動平均線を上回ったことで調整は一巡したと考えます。

日足の一目均衡表では雲上限を上回っています。今週の初めには下落する場面もみられましたが、雲上限や切り上がる転換線がサポートとして意識されています。また、方向性を示すといわれている基準線が上向きとなっていることから、しっかりとしたトレンドを形成していると見ることもできます。

今後は、早期利上げ期待(ファンダメンタルズを参照)を材料に雲上限を上放れるような展開を期待します。ターゲットとして意識されるのは、昨年12月高値と1月高値を結んだ上値抵抗ラインが位置する86.50円水準でしょう。一方、足元のマイナス材料である原油価格の低下(ファンダメンタルズを参照)が継続した場合、足元の反発分が剥落する可能性があります。

上記の流れを考慮し、レンジ下限は雲下限である82.00円水準とします。一方、レンジ上限は86.50円とします。

ファンダメンタルズ

早期利上げ期待がカナダドルの押し上げ要因に

・早期利上げ観測への期待が高まる
・7月12日の次回会合を注視
・さえない原油価格が重しだが

カナダ銀行(中央銀行)のウィルキンス上級副総裁は、6月12日に「国内の景気回復が各地域や業種に広がっている」と強調しました。また、政策当局者に対して「勇気づけられる理由」を与えているとも述べました。経済情勢好転を受けて、利上げの準備が整っていると発言したわけです。

ウィルキンス氏は「成長が継続し、理想的にはさらに範囲を広げる中で、政策委員会は現在実施しているかなりの金融刺激策が依然として全て必要かどうか、検討を行うことになる。」と発言しました。そして、7月12日に開催される金融政策決定会合の前に政策当局者がデータを注視し「多くの人々」と話し合うとも述べました。こうした中央銀行副総裁のタカ派発言が、カナダドルを押し上げる格好となったわけです。

一方、カナダは先進国のなかでも有数な資源国ですので、経済情勢は原油価格の影響を受けるケースが多く見られます。足元の原油価格は、北米でのシェール開発の掘削装置(リグ)の稼動数増加などが嫌気されて下落基調が強まっています。早期の利上げ期待というポジティブな材料に対して、原油価格の下落が重しとなっているわけです。今後、原油価格が下げ渋る展開となれば、カナダドルは強い動きを見せるかもしれません。

執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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