2017年6月30日号

(2017年6月30日~2017年7月6日)

ユーロ/円

テーパリングへの思惑でユーロ買い継続

  • レンジ上限
    130.00円

    (5/19時点の130.00円と同じ)
  • レンジ下限
    125.00円

    (5/19時点の120.00円を引き上げ)

テクニカル

強い上昇で130.00円回復を意識した展開に

・雲上限を上放れる強い動き
・昨年2月以来の130円台を意識
・調整が入っても足元の上値抵抗ラインがサポートに

ユーロ/円は128円台と円安ユーロ高の流れが強まっています。足元125円レベルが上値抵抗ラインとして意識されていましたが、一気にこの水準を上放れました。上昇の要因は欧州中央銀行(ECB)によるテーパリング観測(ファンダメンタルズを参照)です。足元の節目を上抜けたことで、売り方の買戻しなども巻き込んだとみられています。

日足の一目均衡表では、遅行スパンが実線を上抜けるなど強いトレンドが発生しています。方向性を示す基準線も上向きとなっていますので、上へのバイアスが強まると思われます。目先のターゲットは心理的な節目でもある130円が意識されるでしょう。

130円台回復となれば16年2月以来となります。こうした水準を回復した場合、ユーロ/円は中長期的な下落トレンドからの戻りを試す展開を迎えたと判断することもできます。130円台に跳ね返されても、足元の上値抵抗ラインだった125円水準がサポートラインとして意識され、下値は限定的と見ます。

上記の流れを考慮し、レンジ下限は125.00円とします。一方、レンジ上限は130.00円とします。

ファンダメンタルズ

ECBは9月にもテーパリングを実施する可能性

・ECBはテーパリングの可能性を示唆
・早ければ9月に実施か
・英、カナダでは早期の利上げ観測高まる

ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は、6月27日のECB年次政策フォーラムで「ユーロ圏の景気回復が強まっている兆候、デフレ圧力はリフレに変わった」「ユーロ圏成長率はトレンドを上回るが、インフレ動向は想定より抑制」「インフレを抑制している要因は主に一時的なもの」とコメントしました。

市場は、ドラギ総裁が債券買い入れ措置の縮小(テーパリング)を9月にも発表する準備を進めていると受け止め、ユーロ買いが進みました。明確にいつからテーパリングを進めるか時期はわかりませんが、7月の理事会で議論し、9月の理事会でテーパリングを実施するとの見通しです。

また、イングランド中央銀行やカナダ中央銀行も早期の利上げを実施する可能性がでてきました。利上げを実施している米国を含め各国は利上げの流れを強めていく様子です。一方、日本銀行は金融緩和方針を続ける方針を明確に打ち出していますので、利上げする可能性がある通貨に対しては弱い動きが続くでしょう。「欧州通貨買い、円売り」の大きなトレンド(流れ)が発生するかもしれません。

執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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