2017年7月7日号
ユーロ/ドル
ユーロ買い優勢の地合いは継続か
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レンジ上限
1.1600ドル
(6/9時点の1.1280ドルを引き上げ) -
レンジ下限
1.1250ドル
(6/9時点の1.1000ドルを引き上げ)
テクニカル
2年半に渡る中長期的なボックス相場が終わる可能性も
・ユーロ買いの強いトレンドが継続
・ボックス圏上限の1.1600ドル突破を試す展開に
・6月中旬にもみ合った1.1250ドルがサポートに
足元のユーロ/ドルは1.1400ドル台まで上昇しています。6月中旬は1.1200ドル台でもみ合っていましたが、6月下旬辺りからユーロ買いが優勢となり一段高となっています。16年5月以来の1.1500ドル台回復が意識されそうな状況です。
日足の一目均衡表では、上昇する転換線に沿った強い動きが見られます。昨年8月の戻り高値1.1366ドルを上回ったことから、中長期的な反発傾向が強まる可能性があります。利益確定の流れが強まっても、切り上がる転換線や雲上限がサポートラインとして意識されるでしょう。
長期的なチャートで確認しますと、15年8月と16年4月に1.1600ドルを瞬間的に上抜ける場面が見られましたが、15年以降は1.0500ドルから1.1600ドルのレンジで推移しています。ユーロ/ドルは今後、2年半に渡るボックス相場が終わるかどうかのポイントを迎えると考えます。ボックス相場からトレンド相場への転換となれば、ユーロ/ドルは上昇基調を強める可能性もあります。
6月中旬にもみ合った1.1250ドル水準をレンジ下限、ボックス圏上限である1.1600ドル水準をレンジ上限とします。
ファンダメンタルズ
ECBは9月理事会でテーパリングを実施か
・テーパリング観測でユーロ買いは継続か
・一部メンバーからは利上げを急がないとの声も
・米雇用増加が鈍化となればドル/円の上値が重くなる可能性
欧州中央銀行(ECB)が6日に公表しました6月7-8日開催の理事会議事要旨によりますと、「必要に応じて資産買い入れを拡大する」との従来の文言を削除することを協議していたことが判明しました。6日の欧米市場ではECBの金融緩和策が早い時期に解除されるとの思惑が広がり、ユーロ買いが活発となりました。
ただ、理事会メンバーは緩和バイアスの削除によって市場が混乱することを強く警戒しており、行動を急がない公算が大きいということも議事要旨には示されていました。緩和バイアスについては「インフレ見通しへの確信が一段と高まれば、このバイアスを維持するか見直す可能性がある」と指摘しています。
市場では、ユーロ圏のインフレ鈍化の懸念は後退しており、ECBが失業率の低下や成長率の加速を考慮すれば、2018年前半にも緩和策の縮小に着手する可能性は高いとの見方が広がっています。資産買い入れの段階的な縮小(テーパリング)について、ECBは7月20日の次回理事会で協議し、9月7日の理事会でテーパリングの計画を表明するとの声も聞かれています。
一方、ドル/円に関してですが、昨夜発表されました米国の民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の6月分は、前月比+15.8万人と、予想+18.8万人を下回り、5月+23.0万人から鈍化。昨年10月来で最低の伸びに留まりました。この結果、今晩発表される米国の雇用統計の非農業部門雇用者数の伸びが鈍化する可能性が浮上しています。ドルの上値が重い状況は続くかもしれません。
執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之
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