2017年7月14日号

(2017年7月14日~2017年7月20日)

ユーロ/円

ユーロ買いの地合いは継続

  • レンジ上限
    135.00円

    (6/30時点の130.00円を引き上げ)
  • レンジ下限
    126.00円

    (6/30時点の125.00円を引き上げ)

テクニカル

短期的な調整に留まり中長期的な上昇は継続か

・大台到達で達成感を意識か
・かつての上値抵抗ラインがサポートラインに転換
・強いトレンドが継続

足元のユーロ/円は130円台手前で推移しています。6月下旬辺りに足元の上値抵抗ラインである126.00円水準を上回った後は上げ幅を拡大し、心理的な節目であった130.00円もクリアしました。さすがに短期的な上昇に対する警戒感や、大台到達による達成感などが意識されて利益確定売りに押されていますが、129円水準で下げ渋っています。

日足の一目均衡表では、転換線がサポートラインとして意識されています。この水準を割り込むと売りが強まる可能性はありますが、基準線が126.00円レベルで推移していることから上昇前の水準までの調整は回避されるとみます。

126.00円は5月の上値抵抗ラインだった水準でもあることから、サポートラインとして意識されるでしょう。テクニカルの世界では、上値抵抗ラインだった水準がサポートラインに転換することがよくあります。それだけ参加者の関心が高い水準というわけです。底堅いユーロ/円は多少の調整を経て、緩和縮小などを材料に(ファンダメンタルズを参照)次の心理的な節目である135.00円を意識した展開に向かうと想定します。

足元の上値抵抗ラインや、日足の一目均衡表の基準線である126.00円をレンジ下限心理的な節目である135.00円をレンジ上限とします。

ファンダメンタルズ

ECBは金融緩和策縮小の動きを強めるか

・8月のジャクソンホールではドラギ総裁のコメントに注目
・ECBは9月にテーパリング実施の可能性
・欧米金融正常化で円は相対的に弱含むか

欧州中央銀行(ECB)は、ドラギ総裁が8月24-26日に米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムに出席、講演を行うことを発表しました。ドラギ総裁による講演は3年ぶりとなります。関係筋によると、域内経済への自信が強まり、金融刺激策への依存度が減少していることを示唆する見込みのようです。

ECBは早くて9月の定例理事会において、資産購入規模を現行の各月600億ユーロ規模から縮小する計画を発表すると見られています。一部市場関係者は、来年1月から規模を一月100億ユーロづつ削減していくと指摘しています。

ECB理事会の2週間前に開催されるジャクソンホールでの講演は、この方針を示唆する絶好の機会と見られています。ドラギ総裁は2014年の会合で、資産購入プログラムの導入を示唆したことを考えると、同じ会合で終了を示唆するのが理にかなっていると指摘されています。かつてバーナンキ前FRB議長も、量的緩和(QE)第2弾を示唆する講演をジャクソンホールで行った経緯がありますので、関心は高まるでしょう。

ECBは9月の会合で、新たな成長、インフレ予測を発表します。通常、新たな予測発表と同時に、ECBは政策を変更する傾向がありますので、9月会合は要注目となります。予想通り政策変更となれば、4年ぶりに欧米の中央銀行がそろって緩和策解消に動くこととなります。欧米の金融正常化の流れが強まることで、円が相対的に弱くなるかもしれません。

執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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