2017年8月25日号

(2017年8月25日~2017年8月31日)

ユーロ/ドル

ボックス相場からトレンド相場に転換

  • レンジ上限
    1.2200ドル

    (7/21時点の1.2000ドルを引き上げ)
  • レンジ下限
    1.1662ドル

    (7/21時点の1.1250ドルを引き上げ)

テクニカル

1.2000ドル台回復は通過点か

・ユーロ買いのトレンドは継続
・15年1月以来の1.2000ドル台は通過点
・中長期的な上昇トレンド

ユーロ/ドルは8月2日に1.1910ドルまで上昇するなど強い動きが続いています。1.2000ドル台回復を前に、短期的な調整入りを迎えていますが、下値を切り上げていることから上を意識した雰囲気があります。

日足の一目均衡表では、雲上限を上放れており、基準線がサポートラインとなっており堅調な推移といえます。方向性を示す基準線が上を向いていることから短期的なトレンドは強いでしょう。一方、長期的なチャートで確認しますと、15年以降続いていた1.0500ドルから1.1600ドルのレンジをきれいに上放れています。

7月22日のレポートで、トレンド転換の可能性を指摘しましたが、1ヶ月を経過した今、ユーロ/ドルは2年半に渡るボックス相場が終了したと考えます。ボックス相場からトレンド相場への転換ですので、中長期的にユーロ/ドルは上昇基調を強めるとみます。15年1月以来となる1.2000ドル台は通過点となるでしょう。

8月安値1.1662ドル水準をレンジ下限15年1月以来の水準である1.2000ドルを上回る1.2200をレンジ上限とします。

ファンダメンタルズ

3年ぶりに出席のドラギ総裁の講演内容に注目

・ジャクソンホールでドラギ総裁が講演
・来年からのテーパリンングを示唆か
・9月の理事会開催に向けたステップに

前回の欧州中央銀行(ECB)の理事会において、ドラギ総裁は「フォワードガイダンスの変更はないとのメッセージを発すること、将来的な変更について討議する具体的な日程は設定しないことで、全会一致している」と述べましたが、市場関係者の多くは、9月7日に開催される理事会で金融緩和策の縮小について議論する可能性が高いと予想しています。

金融緩和策の早期縮小への思惑で、ユーロ/ドルは8月2日に1.1910ドルまでユーロ買い、ドル売りが進行しました。ECBの9月定例理事会を間近に控えるなか、8月24日から米ワイオミング州ジャクソンホールでカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムが開催されています。このシンポジウムでは、3年ぶりに出席するドラギ総裁がテーパリング実施の可能性を示唆すると見られています。

ジャクソンホールでの講演でドラギ総裁がテーパリングを示唆し、景気やインフレの委員の新たな予測が公表される9月定例理事会において、来年からのQE縮小計画を発表するというのが、市場で見込まれているECBテーパリングのシナリオです。日本時間26日午前4時に行われるドラギ総裁の講演内容に注目となります。

執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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