2017年9月15日号

(2017年9月15日~2017年9月21日)

ポンド/円

金利引き上げ観測を材料にポンド優勢の展開

  • レンジ上限
    152.00円

    (7月28日時点の146.00円を引き上げ)
  • レンジ下限
    144.80円

    (7月28日時点の143.50円を引き上げ)

テクニカル

ポンド買い優勢で150円台回復を意識へ

・ポンド買い優勢の展開に
・16年6月以来の150円台回復を視野に
・中長期的には下落トレンド転換の可能性も

足元のポンド/円は、147.50円台で推移しています。英国金利引き上げ観測が高まったことから、ポンド買いが優勢となっており、16年12月高値148.46円に迫る動きとなっています。

日足の一目均衡表では、雲上限を上回ったほか、遅行スパンも実線を上抜くなど短期的には強気の状況といえます。目先の上値抵抗ラインである148円水準や16年12月高値を上回ると、節目突破を材料に上昇ピッチが早まる可能性はあります。16年6月以来となる150円台回復も視野に入るでしょう。

中長期的には、15年高値195.88円を起点とした下落トレンドが転換するかどうかの見極めとなるでしょう。150円台突破をきっかけに、ポンド/円はじりじりとした中長期的な反発が継続する可能性もあります。

短期的には節目の150円をやや上回る152.00円をレンジ上限、一方、転換線が位置する144.80円をレンジ下限とします。

ファンダメンタルズ

英中銀は金利引き上げの可能性を示唆

・英中銀は金融政策の現状維持を発表
・カーニー英中銀総裁は数カ月以内の利上げ実施を示唆
・カーニー総裁がタカ派に転じる

イングランド中央銀行は、金融政策決定会合で市場の予想通り、政策金利を0.25%、資産購入枠を4350億ポンドで据え置くことを決定しました。声明の中で、経済成長やインフレ圧力上昇が続いた場合、今後数カ月に利上げを実施する必要があるとの見解を示しました。

また、過半数の委員が向こう数カ月で金融緩和策の削減を見込んでいるほか、カーニー総裁はTVインタビューで、英国の物価がポンド安の影響で上昇していると指摘。今後数か月内に金利調整が必要となる可能性があると繰り返しました。そして、自分も金融刺激策の変更の見解を示した委員の一人であることを明らかにしました。

カーニー総裁は前回会合まで英国の欧州連合(EU)離脱による影響が不透明だとし、「異例な金融緩和が依然必要だ」と慎重な姿勢を維持していましたが、タカ派(今回のケースでは金利引き上げ派)に転じたわけです。

足元、英国金利引き上げの話が沈静化していたこともあり、市場ではポンド高を意識した地合いとなりつつあります。今後発表される経済指標を確認する必要はありますが、為替市場では、ポンド優勢の展開となる可能性があります。

執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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