2018年3月30日号

(2018年3月30日~2018年4月5日)

ドル/円

転換線突破を見極め

  • レンジ上限
    110.50ドル

    (3/16時点の110.50ドルを据え置き)
  • レンジ下限
    101.00ドル

    (3/16時点の101.00ドルを据え置き)

テクニカル

転換線突破を見極め

・調整トレンドは継続
・転換線突破ならいったんリバウンド
・長期では16年安値水準を意識

ドル/円は、昨年年初の117円台の戻り高値をピークに調整トレンドが継続しており、今年に入ってからは年初の113円台をピークに調整が続いています。週足の一目均衡表では年初に雲上限を割り込むと、翌2月には雲下限を割り込んでいます。さらに昨年9月の直近安値を下回ったことから、ボトムを探る展開が続いている形状になります。足元では上値を切り下げる形状のなか、上ヒゲが連発していますので、戻り待ちの売り圧力の強さがうかがえます。ただし、日足形状では転換線および基準線を突破してきました。その基準線が支持線に変わる可能性がありますので、目先的にはリバウンドを試す展開が意識されてきそうです。ちょうど週足の転換線レベルには日足の雲下限が位置しています。この水準が107.50円処ですので、107.50円を捉えることにより、トレンド転換がみられそうです。もっとも、調整トレンドの中でのリバウンドになりますので、本格的は転換には110円台を回復する必要があります。また、日足の雲下限、週足の転換線に跳ね返されるようですと、やはり長期的には16年の安値水準への意識が強まりやすいところです。

週足の雲を下放れたことにより、より長期のトレンドをみる必要があります。そのため、月足での長期の一目均衡表ですと、現在は比較的厚い雲の中で推移していますので、強弱感が対立しやすい位置にあります。大きく振れやすい状況にもありますので、目先的なレンジでは下限が16年安値水準の101円を据え置き、レンジ上限は週足の雲下限となる110.50円を据え置きます。

ファンダメンタルズ

ドル高円安に振れ始めるか

・貿易戦争への警戒感はピークアウト
・3月以降の米経済指標は改善傾向を強める見通し
・米経済指標を確認しつつドル高円安へ

通商問題については、各種メディアの報道から、米国と中国が対話による落としどころを探る姿勢に傾いているという情勢判断が一般に広がりつつあり、貿易戦争への警戒感はピークアウトに向かっているようです。為替市場のリスク回避は徐々に和らいでいく方向でしょう。リスク回避の局面で買われやすい低金利通貨の円は、売られやすくなりつつあると考えられます。

米国では18年1-2月の経済指標がやや弱めだったようですが、厳しい寒波・降雪という天候要因に大きく影響されたのではないかと考えています。寒波が一巡し始めた3月以降の本格減税の効果も現れ始め、消費と住宅販売・建設が増勢を強めると予想しています。米経済指標でこれが確認されれば、米連邦公開市場委員会(FOMC)は年末にむけ段階的に利上げペースを加速する方向に金融政策運営の舵を切り始めるでしょう。米国経済の成長ペースの加速と利上げペースの緩やかな加速に市場の確信が強まれば、米国株高とドル高が同時に実現する見通しです。

4月に入って発表される3月の米経済指標を確認しつつ、為替市場はドル高円安に徐々に振れ始めると予想しています。米国の経済指標としては、小売売上高が最も重要で、住宅着工統計も上向けば、ドルの強い支援材料になるでしょう。3月以降の小売統計で米国経済の四番バッターである消費の増勢の強まりが確認されれば、世界経済の先行きにも明るさが広がり、投資家のリスク選好姿勢が強まることで、円は売られやすくなります。

執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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