2018年4月6日号

(2018年4月6日~2018年4月12日)

カナダドル/円

徐々にシグナルが好転

  • レンジ上限
    86.50円

    (6/23時点の86.50円を据え置き)
  • レンジ下限
    80.50円

    (6/23時点の82.00円を引き下げ)

テクニカル

雲下限突破でシグナル好転を試す

・転換線、基準線を突破し雲下限を試す
・遅行スパンは上方シグナル発生
・雲下限突破なら雲上限が射程に

足元のカナダドル/円は、1月高値の91.55円処をピークに調整トレンドが続いていますが、3月半ばの安値80..50円処をボトムにリバウンド基調をみせてきています。このリバウンド局面において、一目均衡表ではそれまで抵抗だった転換線および基準線を突破してきました。また、遅行スパンは実線を下から上に突き抜ける格好から、上方シグナルを発生させつつあります。ボトム圏での突破により、今後しばらくは上方シグナルが継続する可能性がありそうです。転換線、基準線の突破、遅行スパンの上方シグナル発生により、徐々にシグナルが好転してきています。今後は雲下限を明確に突破してくるようですと、雲の中では強弱感が対立するものの、スタンスとしては雲上限を射程に入れた一段のリバウンドが期待されてくると考えられます。

そのため、雲上限が目先のターゲットとなる半面、雲下限に跳ね返される局面では、直近安値が下値の目処といった格好になりやすいでしょう。また、週足の形状においては、雲下限を突破し、転換線に接近してきています。雲の中での推移であり、こちらは強弱感が対立しますが、日足の雲上限を捉えてくるようですと、こちらも雲上限を意識したリバウンドが期待されてくるでしょう。

まずは、日足形状での雲下限突破を見極め、シグナルを好転させてくるかが注目されます。1月高値からの調整トレンドも転換してきますので、先高観が意識されそうです。

上記の流れを考慮し、レンジ下限は直近安値の雲下限である80.50円水準とします。一方、レンジ上限は雲上限が位置する86.50円とします。

ファンダメンタルズ

カナダドル高・円安に振れやすい環境が到来か

・リスク通貨を選好する動きが強まる方向
・北米自由貿易協定の再交渉で原則合意が近づく
・対円でカナダドルが買われやすい環境

米国と中国の通商問題を巡っては、両国政府が自国利益の獲得・確保を目指して相手の譲歩を少しでも引き出そうと、強硬な態度を時折見せるでしょう。しかし、貿易戦争となって自国経済に実害が及べば、自国民の支持を失う大きなリスクを冒すことになるため(民主主義ではない中国でも歴代の国家主席は共産党による一党独裁体制への国民の支持を盤石とすることに腐心してきました)、最終的には交渉による妥結を目指しているはずです。今後、こうした方向性が一段と明確化していくことで、米中の貿易摩擦に対する不安が後退を続け、為替市場でリスク通貨を選好する動きが強まっていく見通しです。

そこで注目されるのがカナダドルです。カナダはメキシコとともに、米国と北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を進めています。11月の米国中間選挙を前に、低迷する支持率を改善させ、少しでも与党共和党の勝利に貢献し、共和党の少数与党転落で自らを政治的に苦しい立場に追い込んでしまうことを回避しようと、トランプ米大統領はNAFTA再交渉でも実績を上げることを急ぎ、柔軟姿勢を強めつつあるようです。3ヵ国は焦点の自動車関税で交渉をまとめ、4月中旬にも原則合意することを目指していると伝えられています。

NAFTA再交渉で原則合意が成立すれば、輸出の75%を米国に依存するカナダ経済の先行きに明るさが広がりやすくなります。資源国通貨のカナダドルが、有力なリスク通貨の一つとして市場からの評価を高め、リスク選好の動きが強まった局面で売られやすい低金利通貨の円に対して、継続的に買われる可能性が高まります。

執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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