2018年4月20日号

(2018年4月20日~2018年4月26日)

豪ドル/円

シグナル好転を試す

  • レンジ上限
    85.00円

    (3/2時点の86.85円を引き下げ)
  • レンジ下限
    80.45円

    (3/2時点の77.00円を引き上げ)

テクニカル

シグナル好転を試す

・足元のリバウンドで雲下限の攻防
・遅行スパンは上方シグナルを発生
・雲上限を意識したトレンド形成へ

豪ドル/円は、年初の89円処をピークに調整が続くなか、3月下旬には80.45円まで下落しています。ただし、3月下旬の安値を目先底に足元ではリバウンドをみせてきており、3月半ばにつけた戻り高値である84.50銭処に接近しています。同水準に位置している雲下限が上値抵抗として意識されており、ここ数日は下降する雲下限レベルでの攻防をみせています。雲下限は切り下がりをみせていますので、これに沿った調整がコンセンサスになりやすい面はあります。一方で、遅行スパンは直近戻り高値水準を通過してきました。今後は実線が切り下がるところでの推移となるため、遅行スパンが横ばい推移としても、来週には実線を下から上に突き抜ける、上方シグナルを発生させてくる確率が高いです。シグナルが好転するなか、雲下限突破を意識したトレンド形成にも向かいやすくなると考えられるため、目先的には雲下限を突破し、雲上限を意識したリバウンドに期待したいところです。

また、週足の一目均衡表においても雲下限を割り込んでいます。こちらは遅行スパンが実線から大きく下放れているため、シグナル好転には時間がかかりそうです。ただし、雲下限が今後大きく切り上がりをみせてくるため、雲下限を突破できなくとも、これに沿ったリバウンドをみせてくる可能性がありそうです。強気になるにはもうしばらく時間を要することになりそうですが、調整トレンドの中でのリバウンドを意識でしておきたいタイミングです。

上記の流れを考慮し、レンジ下限は前回の77. 00円から、直近安値水準である80.45円に引き上げます。一方、レンジ上限は週足の雲上限が位置する85.00円とします。

ファンダメンタルズ

対円で豪ドルは出直り基調を継続

・3月には米中の貿易摩擦問題で豪ドル売り
・米中の貿易摩擦への警戒感は和らぐ方向
・鉄鉱石市況の持ち直しと豪ドル高

オーストラリア(豪州)は鉄鉱石・石炭・天然ガスの輸出に依存した経済構造をしている資源国です。最大の輸出先は中国で、対中輸出依存度は3割以上に達しており、中国経済が豪州経済の行方を大きく左右し、豪ドルの行方も大きく左右することになります。このため、3月に米中の貿易摩擦に警戒感が強まると、中国経済・世界経済への警戒感と資源需要への悲観的な見方から、対円で豪ドルは一段安となりました。

しかし、貿易摩擦が激化すれば、世界的な経済活動に大きな支障をきたし、中国経済だけでなく、米国経済にも影響が及びます。こうした状況を十分に理解しているため、通商問題を巡り、米国政府も中国政府も強硬姿勢で相手国を牽制しつつ、対話を通じて解決を目指す姿勢を優先しているようです。中国政府は譲歩の姿勢を見せていますし、米国政府も北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で柔軟な交渉姿勢を見せていることから、中国との交渉でも柔軟な姿勢を見せてくるでしょう。為替市場の参加者も概ねこうした展望に立っているとみられ、米中の貿易摩擦に対する警戒感は大きく後退し始めています。

それとともに、4月に入って、対円で豪ドルは出直り基調に入り始めました。既に鉄鉱石の市況も下値固めを経て堅調さを取り戻しつつあります。米中の貿易摩擦に対する警戒感は後退を続ける可能性が高く、鉄鉱石の市況が出直り局面に入り、豪ドルの戻りに弾みをつけると予想されます。中国経済の減速リスクを指摘する報道がありますが、中国政府は経済の安定成長を重視した政策運営を行っており、そうした懸念は杞憂に終わるとみています。対円で豪ドルは出直り基調を継続する見通しです。

執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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