2018年4月27日号

(2018年4月27日~2018年5月10日)

ドル/円

中期トレンドのシグナルは徐々に好転

  • レンジ上限
    112.00ドル

    (4/13時点の109.30ドルを引き上げ)
  • レンジ下限
    106.00ドル

    (4/13時点の104.60ドルを引き上げ)

テクニカル

中期トレンドのシグナルは徐々に好転

・短期シグナルは好転
・中期シグナルは徐々に好転
・節目の110円台は射程内

ドル/円は、3月下旬の安値105円30銭台をボトムにリバウンド基調が強まるなか、節目の110円台が射程に入ってきました。日足ベースの一目均衡表では4月前半に雲下限での攻防からこれを突破すると、4月半ばから下旬にかけて上昇により、ここにきて雲上限を捉えてきました。遅行スパンは実線を上放れており、上方シグナルが継続しています。これにより、昨年11月高値114円70銭処を高値ピークとして調整してきたトレンドが好転した格好となりました。また、週間形状でみますと転換線を突破した辺りから上昇基調が強まり、基準線および雲下限に接近してきました。

雲下限が上値抵抗として意識されやすいところですが、今後雲がねじれを起こし、一気に112円台レベルまで切り上がりをみせてきます。雲下限での推移のためシグナルが直ぐ好転する訳ではありませんが、基準線を突破し、雲下限の切り上がりに沿ったリバウンドをみせてくることにより、徐々にシグナルが好転してくる可能性があります。遅行スパンは昨年11月の高値水準で推移しているため、実線を上回ることは厳しく、下方シグナルは継続します。しかし、目先的には節目の110円が射程内に入っているほか、雲下限が位置する112円台を意識したトレンド形成に向かうことは十分可能でしょう。

そのため、週足ベースの雲下限が位置する112円処をレンジ上限に切り上げるほか、日足ベースの雲下限が位置する106円処をレンジ下限として、それぞれ前回から切り上げます。

ファンダメンタルズ

ドル高円安基調へ

・米長期金利の上昇によるドル高円安は目先一巡か
・米株市場の出直りがドル高円安材料に
・米リスク選好の動きが戻り、円安基調が徐々に明確化へ

足下の原油高などでインフレ懸念が強まり、米国の10年債利回りが4月24日に3%台に乗せたため、日米の長期金利差の拡大が意識され、ドル高円安に振れました。しかし、26日には米10年債利回りが再び2%台に戻り、ドル高円安は一服しています。

4月に入って米経済指標は改善傾向を強めつつありますが、米国経済の成長ペースの加速に市場の確信が強まるような段階にはまだ至っていません。このため、米国の原油需要の増加ペースはまだ極めて緩やかなままだと思います。米国企業の業績拡大基調にも本格的な弾みがつく見通しとなっていないため、米国企業が継続的な賃上げや値上げを実現できる環境にもなっていません。企業は自社業績の先行きに自信を持てなければ、他社からの値上げ要請を受け入れないでしょうし、消費者は収入の増加を見込めなければ、値上がりした商品の購入を手控えてしまいます。米国経済の成長ペースの加速にまだ確信を持てない現時点では、原油高には限界があり、インフレ率が上昇基調を強めるリスクも限定的でしょう。

近いうちに、原油価格は下がり、米国の10年債利回りも2%台での推移に戻る可能性が高いと考えています。しかし、米国で原油価格と長期金利が落ち着けば、米国企業の堅調な業績を買う形で、米株式市場が上昇を再開する可能性は高く、為替市場でリスク選好の動きが戻るでしょう。リスク選好の局面で投資対象としての魅力に乏しい低金利通貨の円は売られ、対円でドル買いが再び強まる見通しです。

執筆者:フィスコアナリスト 田代昌之

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