2018年10月12日号

(2018年10月12日~2018年10月18日)

ドル/円

レンジ切り上げの展開を継続

  • レンジ上限
    114.00円

    (9/21時点の114.00円を据え置き)
  • レンジ下限
    111.00円

    (9/21時点の110.00円を引き上げ)

テクニカル

下値の堅さを意識

・直近の調整は短期的な動きに留まる公算
・三役好転は引き続き継続
・いったん下落角度も緩やかに

足元の米ドル・円は、3月末に1ドル=115円割れをみせてから、じりじりと下値を切り上げながらレンジ推移となっています。その後、9月末から10月頭にかけての上昇局面で、昨年末の高値水準である114円処までの戻りを見せる展開もみられました。直近では、外部環境の悪化から短期的な調整局面となっています。

日足ベースの一目均衡表では、基準線及び転換線はともに雲上限での推移となっており、転換線は基準線の上方に位置しています。また、遅行線もチャートの上の位置をキープしております。これにより、三役好転は引き続き継続していることから、直近の下げは短期的な調整に留まる公算が大きいとみられます。

日足ベースのローソク足では、5日線が急降下しており、上向き基調の25日線とのデッドクロスを示現しています。とはいえ、25日線や75日線は揃って200日線上を推移しており、本格的な下落局面とまでは至っていないと思われます。ボリンジャーバンドでは、9月から10月頭にかけての上昇局面で+2σに沿った強い動きが確認されていたものの、直近の下落で中心線を割り込み-1σ手前の水準まで一気に下押しました。ただ、こちらでいったん下落角度も緩やかになってきておりますので、翌営業日以降に早期のタイミングで中心線の位置する113円辺りまで回帰する展開は想定の範囲内となるでしょう。

これらを踏まえ、直近の調整をこなしながらも再び10月頭につけた高値水準である114円処までの戻りを視野に入れた動きをメインシナリオとし、この水準を上値メドとする一方で、9月頭につけた押し安値111円水準をレンジ下限として設定します。

ファンダメンタルズ

来年の米金利見通しに不透明感

・米国株式は10日、11日に大幅続落
・株安でも米長期金利はやや下げ渋る状況
・2019年の金利見通しは不透明

10月10日、11日の米国株式は大幅安となりましたが、米長期債利回りは小幅な低下にとどまっています。10年債利回りは11日のニューヨーク市場で3.189%近辺まで上昇しました。米国株の大幅続落やトランプ米大統領が金利上昇を批判したことから、一時3.127%近辺まで低下したものの、その後は下げ渋り、結局3.150%近辺でこの日の取引を終えています。

市場関係者の間からは「米国株の大幅続落でも長期金利の下げ幅が縮小したことは軽視できない」との声が聞かれています。仮に、米国株式相場が調整局面を迎えても、米長期金利はあまり低下せず、10年債利回りが3%台を維持した場合、ドルは主要通貨に対して底堅い動きとなるとの見方は少なくありません。

ただ、2019年の金利見通しについては「米国の主要経済指標次第で相当変わっていくのではないか?」との見方が増えているようです。米金融政策は米国株式の動向に左右されることはないとしても輸入関税の影響によって、10-12月期の企業業績見通しは修正される可能性があるため、輸入関税の影響について一部の関係者は「金融市場は過小評価している」と懸念を示しています。「来年の金利見通しは不透明になりつつある」との声も聞かれており、米国と中国の成長見通しについても予断を許さない状況が続くことから、ドルが115円を超えて一段高となることは期待できないとの見方が出ています。

執筆者:フィスコアナリスト 雲宮祥士

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