2018年10月26日号

(2018年10月26日~2018年11月1日)

南アランド/円

下値の堅さを意識

  • レンジ上限
    8.5000円

    (9/14時点の8.5000円を据え置き)
  • レンジ下限
    7.0000円

    (9/14時点の7.2000円を引き下げ)

テクニカル

じりじりとレンジ切り上げか

・7.0000円処では下値拾いも
・雲上限抜けも本格上昇には至らず
・200日線の角度は緩やか

足元のランド円は7.6000円台での推移となっています。年初は9.000円台での動きとなっておりましたが、じりじりとレンジを切り下げた後、4月以降は75日線に上値を抑えられる格好で下落基調をみせています。7.0000円処に近づくと押し目拾いの動きも出やすくなっており、下値の堅さも意識されつつあります。

日足の一目均衡表では、10月半ばにかけては雲上限を上抜ける場面もみられたものの、本格的な上昇トレンドには至りませんでした。遅行線はチャートを割り込んできている一方で、日々線は現状雲の中での推移となっており、転換線及び基準線も重なっての推移となっていることから、明確な方向性は出にくくなっています。短期的には雲下限の位置する7.5000-7.6000円処での下値の堅さが意識されてきやすいところです。 日足のローソク足では、2016年8-9月にかけてサポートラインとして働いた7.0000円処が、心理的節目として意識されているようです。前述の通り、75日線に上値を抑えられる格好となっているなかで、各移動平均線が下向きとなっています。とはいえ、中長期のスパンを示す75日及び200日線は緩やかな角度であり、本格的な下落トレンドには至っておりません。これにより、目先は7.0000円台前半での下値の堅さを確認した後の、戻り局面入りも視野に入ります。これをメインシナリオに据えた場合は、直近の戻り高値及び200日線の位置する水準である8.5000円水準が目先の高値メドとして意識されやすいでしょう。

これらを受け、 上値メドを直近の戻り高値や200日線の位置する8.5000円とするシナリオを継続する一方で、16年半ばにサポートラインとなった7.0000円処を下値メドとしておきたいです。

ファンダメンタルズ

インフレ抑制を重視、来年にかけて利上げ余地も

・景気回復のペースは緩やか
・投資拡大による債務増大に留意が必要
・南ア中銀はインフレ抑制に注力

南アフリカは2015年後半から2016年にかけての経済成長の減速から回復途中ではあるものの、2018年以降、景気回復のペースは緩やかなものとなっています。2017年の経済成長率は前年比+1%台にとどまっており、2018年については、1-3月期が前年比+0.8%、4-6月期は同比+0.4%と減速傾向が続いています。

市場関係者の間では、「南アフリカを含めたアフリカ地域の経済は回復に向かっているものの、想定されたペースを下回っている」との見方でおおむね一致しています。景気回復のペースを加速させる方法については、人的資本の育成、各種資源の不適切な配分を減らす、生産性を高める投資に注力する、などが挙げられていますが、投資拡大は債務増大につながることにも留意する必要があります。インフレ率の高止まりが経済成長を阻害していることも問題視されています。

南アフリカ準備銀行(SARB/中央銀行)は9月20日に政策金利を6.50%に据え置くことを決定しましたが、インフレ見通しについて、2019年のコアインフレ見通しを前回の5.5%から5.6%に、2020年は前回の5.3%から5.5%に修正しています。通貨安、原油価格の上昇、賃金上昇の3点がインフレ率上昇の要因とみられています。今月24日に発表された9月消費者物価指数は前年比+4.9%で市場予想の同比+4.8%をやや上回っており、インフレ率のすみやかな鈍化が見込める状況ではないとみられています。

執筆者:フィスコアナリスト 雲宮祥士

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