2018年12月21日号

(2018年12月21日~2019年1月3日)

豪ドル/円

上値の重い展開か

  • レンジ上限
    80.50円

    (11/22時点の83.00円を引き下げ)
  • レンジ下限
    78.50円

    (11/22時点の80.00円を引き下げ)

テクニカル

戻りの鈍い展開を意識

・節目の80.00円を割り込む
・三役逆転となる
・バンド幅は拡張の動き

豪ドル・円は、年初は1豪ドル=90.00円を目指した動きをみせていたが、3月にかけて急ピッチの下落局面に入り、80.00-85.00円のレンジ推移が続いています。足元では、12月頭は83.00円台だったものの、本日は79.00円台での推移と節目の80.00を割り込みました。

日足の一目均衡表では、12月半ばにかけての下落局面入りにより、前日の通り節目の80.00円を割り込むなか、雲下限水準を大きく下抜けています。また、転換線も基準線を割り込んでいるうえ、遅行線はローソク足とのかい離幅を下方に広げています。これにより、三役逆転が完成したことになり、強い売りシグナルが発生していることになることから、短期的に戻りをみせたとしても、雲下限レベルに留まりやすいでしょう。

日足のローソク足では、75日線を除く5日線から25日線、200日線といった各移動平均線が揃って下向き基調で推移しています。また、ボリンジャーバンドにおいても拡張の動きとなっており、目先の下落トレンドが意識されているとはいえ、9月7日と10月26日につけた安値水準78.00円台半ばがいったんは支持線として機能する可能性がありそうです。 これらを踏まえ、上値メドは雲下限レベルである80.50円処を設定しておきたいです。一方で、足元で度々支持線として働いた78.50円を下値メドとしておきたいです。

ファンダメンタルズ

雇用拡大も利上げを急がない豪準備銀行

・国内雇用市場は順調に拡大、11月は3.7万人の雇用増
・豪準備銀行は住宅市場の鈍化が国内経済に及ぼす影響を注視
・米利上げ継続で米・豪金利差拡大の可能性

豪統計局が20日に発表した11月の雇用統計では、全体の雇用者数は市場予想を上回る伸びを記録したものの、失業率はやや上昇しました。11月の雇用者数は全体で前月比+3.7万人で市場予想の同比+2万人程度を上回りましたが、非正規(パートタイム雇用)の雇用者数が4.34万人増えたことによるものです。月間の正規雇用者数は今年6月から10月まで5カ月連続で増加しましたが、11月は6400人減少しました。

11月の失業率は10月の5.0%から0.1ポイント上昇し、5.1%となりましたが、労働参加率が10月の65.5%から11月は65.7%と0.2ポイント上昇したことが失業率上昇の主な要因とみられています。市場関係者の間では、「通商問題などで米中関係が悪化しても豪雇用市場は順調に拡大を続けており、この状況がただちに悪化する可能性は低い」との声が聞かれています。

ただ、豪準備銀行(中央銀行)は、住宅市場の鈍化が国内経済に及ぼす影響を見極める意向を表明しており、豪準備銀行のロウ総裁は、「家計所得が引き続き伸び悩む一方、債務水準は高く、一部資産価格は低下した」と指摘しています。また、2019年は中国経済の成長率がさらに鈍化し、世界経済の減速につながる可能性があることから、雇用の拡大が続いても豪準備銀行は利上げを急がない方針を堅持するとの見方が広がっています。米国金利の先高観はやや後退しているものの、2019年も2回の利上げが実施される可能性があり、米国と豪州の金利差はさらに拡大する見通しであることから、対米ドルで豪ドルは伸び悩み、この影響で豪ドルの対円レートは上げ渋る状態が続く可能性があります。

執筆者:フィスコアナリスト 雲宮祥士

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