2019年2月1日号

(2019年2月1日~2019年2月7日)

ユーロ/円

下値固めの時期に

  • レンジ上限
    128.00円

    (1/18時点の128.00円を据え置き)
  • レンジ下限
    123.50円

    (1/18時点の122.50円を引き上げ)

テクニカル

目先は上値の重い展開か

・フラッシュクラッシュ後の戻りは鈍い
・中長期線は揃って下向き
・下落トレンドからの短期的なリバウンド

ユーロ・円は、昨年末にかけて推移していたレンジを切り下げたものの、フラッシュクラッシュとも呼ばれた1月3日の1ユーロ=120.00円割れの局面は一時的な下落に留まりました。しかし、その後の戻りには時間を要しており、じりじりと下値を固めながらの推移が年明け以降続く展開となっています。

日足ベースのローソク足では、形状をみると、上ヒゲ・下ヒゲいずれをつける場面も散見されており、明確な方向感は現状出ていない状況が続いております。一方、移動平均線では、1月3日以降にじりじりと下値を若干ながら切り上げつつあるなかで、5日線が25日線の上方に位置するようになってきております。しかし、75日線や200日線といった中長期線は揃って下向き基調が続いているほか、週足ベースでも、13週線、26週線、52週線なども軒並み下落していることから、本格的なリバウンド局面入りにはまだ時間がかかりそうです。

日足ベースの一目均衡表では、依然として雲下限を下回る水準での推移が継続しているものの、切り下がる雲下限レベルが接近しているなかで、転換線は基準線を1月半ばから上抜けた動きとなっています。遅行線も上下をこなしながらもローソク足との乖離は縮小しつつあるとみられ、下落トレンドからの短期的なリバウンドが示唆される格好になっています。 これらを踏まえ、上値メドは前回予想(1/18時点の128.00円)を据え置く一方で、下値メドは前回予想(1/18時点の122.50円)から引き上げて123.50円とします。

ファンダメンタルズ

ECBは利上げを急がない姿勢を強調か?

・ECBは主要政策金利の据え置きを予想通り決定
・ドラギECB総裁は「成長へのリスクは下方向に転じた」と指摘
・米利上げ休止の可能性が高まり、ECBは年内の利上げを見送る可能性

欧州中央銀行(ECB)は1月24日に開いた理事会で主要政策金利の据え置きを予想通り決定しました。ドラギECB総裁は会見で「成長へのリスクは下方向に転じた」との見方を示しており、早期利上げの可能性はほぼ消滅しました。市場関係者の間では、「ユーロ圏の物価見通しは下向きとなる可能性があるため、ECBの金融政策は当面インフレ鈍化の可能性に対応したものになる」との見方が出ていましたが、ECBは利上げ(金融緩和策の解除)についてより慎重な姿勢で臨むことになりそうです。

ECBは、政策金利は2019年の夏の終わりまで現行水準にとどまること、保有債券の満期償還金の再投資は利上げ開始の後も長期にわたり継続することを確認しました。しかしながら、1月31日に発表された10-12月期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は前年比+1.2%で市場予想と一致したものの、7-9月期の成長率1.6%を明らかに下回る結果となりました。市場関係者の間では、「年内の利上げ開始は難しい」との見方が広がっています。米連邦準備制度理事会(FRB)は年内の利上げを休止する可能性があることも、ECBの金融政策に一定の影響を及ぼすと思われます。

市場関係者の間では「米国が利上げを一時停止する可能性があることから、ECBは利上げ開始についてより柔軟に対応すべき」との声が聞かれています。ECBが利上げ開始を急いだ場合、ユーロ高が進行し、ユーロ圏諸国の景気に悪影響を及ぼす可能性があるため、インフレ率がやや上昇しても利上げを急がない姿勢を強調するとの見方が出ています。

執筆者:フィスコアナリスト 雲宮祥士

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