2019年2月15日号

(2019年2月15日~2019年2月21日)

NZDドル/円

戻り基調は継続か

  • レンジ上限
    78.00円

  • レンジ下限
    74.00円

テクニカル

短中期線は揃って上向き

・5日線による75日線や200日線上抜けに注目
・三役好転の形状を維持
・雲上限レベルがサポートに

足元のニュージーランドドル(NZD)/円は、75円台半ばでの推移となっています。昨年末12月初旬には、1NZD=78円台後半まで上昇しておりましたが、年末年始にかけて急ピッチの下落をみせ、1月3日には長い下ヒゲをつけながら70円割れの場面もありました。ただ、その後はじりじりと下値を切り上げながらの戻り基調となっており、18年12月高値から19年1月安値水準の下落局面における半値戻しを達成しました。

日足のローソク足では、2月12日に5日移動平均線が上向きに転じた後、25日線上に浮上しています。また、その25日線のほか、75日線も上向き基調になっており、短中期線は上昇しております。一方の長期線である200日線は、下向きではあるもののその角度は緩やかになりつつあります。目先は5日線による200日線上抜けに注目しておきたいところです。

実際に同水準を上抜けた場合は、時間は少し要するとみられるものの、12月高値水準(78円処)までの戻りを視野に入れた動きとなる可能性がありそうです。 日足の一目均衡表では、遅行線がローソク足との上方乖離幅をやや縮小しつつあるものの、引き続き転換線は基準線上に位置しており、ローソク足も雲上限を推移していることから三役好転の形状は維持しています。基準線がじりじりと下値を切り上げながら転換線に迫っている点も少し気がかりではありますが、短期的な調整を見せた場合でも、いったんは雲上限レベルである74円処がサポートラインとして意識される可能性があります。

12高値水準にあたる78.00円処を上値メドとする一方で雲上限レベルである74.00円をレンジ下限として設定しておきたいです。

ファンダメンタルズ

NZ準備銀行の政策金利は長期間据え置きか

・NZ準備銀行は13日に政策金利の据え置きを決定
・オア総裁は「2019年と20年は政策金利を現在の水準に維持することを見込む」と表明
・米中貿易協議の進展次第でリスク選好的なNZドルが強まる可能性も

NZ準備銀行(中央銀行)は13日、政策金利の据え置きを発表しました。市場関係者の全員が金利据え置きを予想していました。NZ準備銀行の政策金利は2016年11月10日以降、1.75%に据え置かれています。金利据え置きの理由として、1)昨年10-12月期の失業率は予想外の4.3%に上昇したこと、2)国際貿易環境のすみやかな改善は期待できないこと、3)NZ準備銀行は利上げ開始時期が2020年7-9月期以降になると想定していること、などが挙げられています。

NZ準備銀行のオア総裁は声明で、「抑制された物価によって景気支援の政策が引き続き正当化されるため、2019年と20年は政策金利を現在の水準に維持することを見込んでいる」と発表しました。また、「次の政策金利の動きは上下いずれの方向もあり得る」と述べており、将来的に経済情勢などが悪化した場合、利下げが行なわれる可能性があるとみられています。

NZ準備銀行が13日に示した見通しによると、利上げ開始が21年1-3月期より前になる可能性はかなり低いと思われます。利上げ開始時期を先送りしたことについて、市場関係者の間では「NZ準備銀行は2019年の物価上昇率は1.4%にとどまると予測し、従来見通しから引き下げたことが関係している」との声が聞かれています。米中貿易摩擦の影響などでNZからアジア、北米地域向けの輸出がただちに増える状況ではないことはNZドルのすみやかな上昇を阻む一因となりそうです。12月のNZ貿易収支は黒字でしたが、輸出額は市場予想をわずかに下回っていました。ただ、貿易摩擦の解消などに向けた米国と中国との閣僚級協議で一定の成果を得ることができれば、3月1日に設定している協議期限が延長される可能性もあるとの見方が出ています。知的財産権の侵害を見直すことなどを含めて米中協議の行方については楽観視できないものの、2月中に米中首脳会談の開催が本決まりとなった場合、リスク選好的なNZドル買いが強まる可能性がありそうです。

執筆者:フィスコアナリスト 雲宮祥士

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