2019年2月22日号

(2019年2月22日~2019年2月28日)

ドル/円

年初からの戻りは継続か

  • レンジ上限
    111.50円

    (1/25時点の111.00円を引き上げ)
  • レンジ下限
    110.00円

    (1/25時点の107.50円を引き上げ)

テクニカル

下値を切り上げる展開

・5日線による中長期線突破が視野に
・三役好転の形状が完成
・切り上がる+1σに沿った動き

足元の米ドル・円は、じりじりと下値を切り上げる展開となっています。

年初からの上昇によって、5日移動平均線と25日線が上向きに転じており、両線ともにレンジを切り上げる格好になっています。一方、中長期線とされる75日線や200日線は下向きではあるものの、下落角度は緩やかになっており、その水準を5日線が上抜ける展開も視野に入りつつあります。 目先は26週線や200日線が位置している111円台半ばを目指した動きが意識されそうです。

日足ベースの一目均衡表では、ローソク足の上に位置する遅行線が強い動きを継続しています。転換線も基準線を上抜けたことに加えて、乖離幅も継続して拡大中です。また、ローソク足が雲上限を2月上旬にかけて突破したことから三役好転が完成しました。雲上限を上抜けた後は、切り上がる転換線が下値支持線として機能しております。ボリンジャーバンドでは、切り上がる+1σ処に沿った推移となっており、同水準割れでは下値を拾う動きも出やすくなるでしょう。目先は+2σを目指した動きを継続となりそうです。

これらを踏まえ、上値メドは200日線やボリンジャーバンドの+2σの位置する111.50円処(前回予想は1/25時点の111.00円)に引き上げ、下値メドも25日線の位置する110円(前回予想1/25時点の107.50円)に引き上げたいと思います。

ファンダメンタルズ

日米長期金利の推移に注目

・日本銀行は「残存10年超25年以下」の買い入れ額を200億円減額
・日銀黒田総裁は2%の物価目標の達成に必要となった場合、追加緩和を検討
・マイナスの長期金利によって円高進行は抑制される可能性も

日本銀行は2月12日、需給の引き締まりに対処するため、超長期を対象にした国債買い入れオペで「残存10年超25年以下」の買い入れ額を前回の2000億円から200億円減額し、1800億円とすることを通知しました。市場関係者の間では「日銀は超長期債の利回り水準のさらなる低下を望んでいない」との見方が浮上していますが、世界経済の成長鈍化リスクは除去されていないため、金融調節を通じて長期金利が0%をやや下回る水準で推移していくことを日銀は容認すると思われます。

日本銀行の黒田総裁は2月13日午後の衆院予算委員会に出席し、物価2%目標の実現について企業の慎重な賃金・価格設定スタンスや、値上げに対する家計の慎重な見方も次第に和らいでくるとの理由から「消費者物価の前年比は2%に向けて徐々に上昇率を高めていくことが展望できる」と述べています。しかしながら、19日に開かれた衆院財務金融委員会に出席した黒田総裁は、国民民主党の前原議員の質問に対して「為替相場で円高が進み、経済、物価情勢に影響を与えて2%の物価目標の達成に必要となった場合、追加緩和を検討する」との考えを示しました。

市場関係者の間からは「為替相場を金融政策の目的としないことで各国の中央銀行の認識は一致しており、円高進行を阻止するための追加緩和を行なうことは難しい」と声が聞かれていますが、一部では「マイナスの長期金利を容認することによって円高進行をある程度抑制することは可能」との見方も出ています。足元の日本の長期金利(10年国債利回り)は-0.04%近辺で推移していますが、10年国債利回りがさらに低下し、現在2.68%近辺で推移している米10年債利回りとの利回り格差が拡大した場合、ドル・円の取引ではドル買い・円売りが強まる可能性があると予想されます。

執筆者:フィスコアナリスト 雲宮祥士

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