2019年4月12日号

(2019年4月12日~2019年4月18日)

ポンド/円

戻りを試す動きは継続か

  • レンジ上限
    150.00円

    (3/22時点の149.00円を引き上げ)
  • レンジ下限
    144.00円

    (3/22時点の144.00円を据え置き)

テクニカル

下値固めは完了の公算

・短中期線が揃って上向き
・75日線による200日線突破も視野に
・再び三役好転の公算高まる

ポンド/円は、底堅さを意識しながら下値を切り上げる展開が続いている。年初のフラッシュクラッシュでは、下ヒゲでいったん137円台までの調整をみせたが、その後は急ピッチでレンジを切り上げ、3月半ばには148円台をつけるレベルまで水準を切り上げた。その後はやや上値が重かったが、足元で下値は切り上がっている。

日足ベースのローソク足では、3月以降概ね横ばいの200日移動平均線をサポートラインとして意識しながらの動きが継続しており、同線割れの水準では押し目買いの動きが確認されています。短中期的なトレンドを示す5日、25日、75日線は揃って上向きとなるなか、200日線による上向き転換の公算も高まってきています。また、2月末から上向き転換した75日線の角度は4月にかけて急になっており、200日線とのクロスも視野に入ってきております。このあたりの動向も注目しておきたいところです。

日足ベースの一目均衡表では、再び三役好転示現の公算が高まってきています。ローソク足は4月8日から10日にかけて、終値ベースで雲上限を割り込む場面もみられましたが、11日以降は雲上に再浮上してきております。また、上昇する遅行線は概ねローソク足を捉えているほか、足元で基準線の下に位置していた転換線は上向きに転じ、基準線を突破する展開が視野に入ってきております。これらが示現すると、三役好転の形状が再び完成することになり、改めて上昇トレンド入りが意識される可能性があるでしょう。

これらを踏まえ、3月半ばにかけて抵抗ラインとなった149.00円をレンジ上限とし、200日線割れ水準に位置する144.00円処をレンジ下限として設定します。

ファンダメンタルズ

EU離脱期限の再延期でポンド売り一服

・英国のEU離脱期限は10月31日に再延期決定
・離脱期限の延期は今回が最後になる見込み
・EU離脱案の議会承認見通しは不透明

欧州連合(EU)は11日、ブリュッセルで緊急首脳会議を開催し、英国のEU離脱再延長で合意し、離脱期限は2018年10月31日に設定されました。英議会は9日、メイ首相がEU側に求めている6月末までの離脱期限延期案を大差で承認しましたが、EU側はより長期間の延長を模索していたようです。結果的には双方が希望する延期期間と異なる10月31日に決定されました。EU関係者によると、「離脱期限の延期は今回が最後であり、3度目の延期はない」とされているもようです。

離脱期限の再延期決定を受けて英ポンドはやや強含みとなる場面がありましたが、フランス政府の報道官は国内テレビ局Cニュースに対し、「英国の合意なき離脱は依然としてあり得る」との見解を示しており、ポンド買い・米ドル売りは一服。ポンドの対円レートは10月31日までの離脱期限延期を受けて146円台前半まで上昇しました。

市場関係者の間からは、「現時点で離脱案が議会で承認される見込みは小さく、メイ首相が辞任しても承認される保証はない」との声が聞かれています。英国のEU離脱を巡る情勢は依然として不透明であることから、リスク選好的なポンド買いは抑制される可能性があります。 ただし、EU離脱問題を除くとポンド売りにつながる材料は少ないことから、リスク回避的なポンド売り・円買いが急拡大するとの見方は増えていないようです。米ドル・円相場に大きな動きがない場合、ポンド・円は144円台で下げ渋り、当面は146円近辺を挟んだ水準で推移する可能性があります。

執筆者:フィスコアナリスト 雲宮祥士

【情報提供】株式会社フィスコ FISCO Ltd.

  • 本レポートは、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
  • 本レポートに掲載される情報は株式会社フィスコ(以下「フィスコ社」という)が信頼できると判断した情報をもとに作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、フィスコ社は保証を行っておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。
  • 本文、データなどに関しては、著作権法などの法律、規制により知的所有権が保護されており、個人の方の本来目的以外での使用や他人への譲渡、販売、コピーは認められていません(法律による例外規定は除く)。
  • 本レポートに掲載される為替レートは、フィスコ社が独自に取得した情報であり、じぶん銀行の為替レートとは異なります。
  • 一目均衡表の著作権は、株式会社経済変動総研に属します。

以上の点をご了承の上、ご利用ください。

じぶん銀行からのご注意

  • 本画面に掲載されている情報は、じぶん銀行の見解を代弁したものではなく、じぶん銀行がその正確性、完全性を保証するものではありません。

以上の点をご了承のうえ、ご利用ください。