2019年12月18日号
ドル/円
先週の概況
対中追加関税の発動回避で109円台に上昇
先週のドル・円は底堅い動きが続き、週後半に109円台半ばまで上昇する展開となりました。アメリカと中国が進めている通商協議で「第1段階」と呼ばれる協定について原則合意に到達し、アメリカのトランプ大統領は貿易合意を承認しました。これによって今月15日に予定されていた対中追加関税の発動は回避されることになりました。協議の行方は不透明であったことから、週前半はドル売りが優勢となり、一時108円43銭までドル安・円高が進む場面がありました。
今週の見通し
主に109円台での取引が続く見込み
今週のドル・円は主に109円台での取引が続くと予想されます。第1段階の貿易合意を通じてアメリカと中国の貿易摩擦は解消に向かうことが期待されており、足元ではドル買いが続くとの見方は多いようです。ただし、アメリカの政策金利は、来年にかけてさらに低下する可能性は残されており、新たなドル買い材料が提供されない場合、ドル・円は110円近辺で上昇一服となる可能性があります。
ドル・円の想定レンジ:108.50円-110.50円
テクニカル分析
心理的な節目の110円が当面のターゲット
ドル・円は、12月13日に長い下ひげを残して109円台半ばまで反発し、25日移動平均を上回りました。直近の25日移動平均は108円80銭台に位置しており、この水準が短期的な下値目途になりそうです。心理的な節目である110円が当面の目標水準であり、新たなドル買い材料が提供された場合、この水準をやや上回る可能性があります。
執筆者:フィスコアナリスト 小瀬正毅
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