2020年5月13日号
ユーロ/円
先週の概況
経済情勢悪化で一時114円台に下落
先々週・先週(4月27日-5月8日)のユーロ・円は、伸び悩む展開となりました。欧州各国で新型コロナウイルスの感染者数は増加しているものの、ドイツ、スペイン、イタリアなどで経済活動の再開に向けた動きが出ており、ユーロ・円は一時117円台後半まで上昇しました。しかしながら、ユーロ圏の経済情勢は予想以上に悪化しており、急速な景気回復は望めないとの見方が広がったことから、リスクを避けるためのユーロ売り・円買いが再び優勢となり、一時114円台半ばまでユーロ安・円高が進行しました。
今週の見通し
1-3月期ユーロ圏GDP改定値が有力な売買材料に
今週のユーロ・円は115円を挟んだ水準で推移する可能性があります。5月15日に発表される1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値が、有力な売買材料となりそうです。速報値は前年比-3.3%(前期比-3.8%)となっていましたが、改定値が下方修正された場合、ユーロ売りが優勢となりそうです。ただし、ユーロ圏諸国は経済活動の再開に向けて動き始めていることから、リスクを避けるためのユーロ売り・円買いがさらに拡大する可能性は低いと予想されます。
・ユーロ・円の想定レンジ:114.00円-117.00円
テクニカル分析
117円を超えるまではユーロ安継続の可能性
5月8日時点でユーロ・円の25日移動平均は116円78銭近辺に位置しており、おおむね117円が上値の目途になりそうです。この水準を明確に抜けるまではユーロ安・円高の基調は維持される可能性があります。
執筆者:フィスコアナリスト 小瀬正毅
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