2020年12月2日号
ドル/円
テクニカル分析
105円近辺が節目の水準か
ドル・円は11月9日に実体部分がかなり長い陽線(大陽線)が観測されており、ドル安・円高の流れは一服したと思われました。ただし、11日につけた105円68銭が直近高値となっており、13日以降は9日の取引レンジ(ローソク足の実体部分)の範囲内で推移しています。23日にやや長い下ヒゲを伴う陽線が観測されましたが、24日に104円78銭まで買われた後は104円台後半の水準で伸び悩んでいます。ドル・円相場が円安方向に本格的に反転したと判断しかねる状況となっています。
・ドル・円の想定レンジ:103.00円-105.00円
先週の概況
ワクチン接種12月開始への期待でドル反発
先週のドル・円はやや反発しました。感染症予防などに高い有効性が期待できる新型コロナのワクチン接種が12月上旬にも一部で開始されることから、ウイルス感染の拡大を警戒したリスク回避的なドル売りは縮小。ドル・円は一時104円76銭まで買われました。ただ、104円台後半で短期筋などの戻り売り興味が残されており、ドル・円は週末前にかけて104円台半ば近辺で上げ渋る展開となりました。
今週の見通し
104円を挟んだ水準で推移か
今週のドル・円は主に104円を挟んだ水準で取引される可能性があります。新型コロナウイルス感染の急拡大を背景に、アメリカ国内で経済制限強化の動きが広がった場合、安全資産である米国債に資金が向かう可能性があります。この場合、アメリカの長期金利はやや低下するものの、安全通貨であるドルの需要は増加し、ドル買い・円売りがやや強まる可能性があります。
執筆者:フィスコアナリスト 小瀬正毅
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