2021年4月14日号

ユーロ/円

テクニカル分析

ユーロの押し目買い興味は失われていない可能性

日足のローソク足で3月26日に「陽の寄付坊主」に類似する大陽線が観測されています。「陽の寄付坊主」とは取引開始後から取引終了時点にかけて上昇し、一時的に下落した時に発生するタイプの陽線です。3月31日にも実体部分が長い陽線が観測されており、ユーロ・円は底堅い動きを維持しています。4月8日には長い下ヒゲが残されており、25日移動平均は4月9日時点で上向きであることから、ユーロの押し目買い興味は失われていないことが推測されます。ドル・円相場が円高方向に大きく動く可能性は高まっていないことも考慮すると、ユーロ・円の底堅い動きはしばらく続く可能性があります。3月26日の終値である129円34銭近辺が当面の下値目途になると考えられます。上値目途は心理的な節目である131円を想定します。

・ユーロ・円の想定レンジ:129.30円-131.00円

先週の概況

レーンECB専務理事の発言で上昇一服

先週のユーロ・円は、やや伸び悩みとなりました。4月7日に130円67銭までユーロ高・円安に振れたものの、欧州中央銀行(ECB)専務理事兼首席エコノミストのレーン氏が「インフレが目標に向けて進んでいる証拠はない」と指摘したことから、リスク選好的なユーロ買い・円売りは縮小しました。8日に一時129円57銭まで下落する場面があり、週末前は主に130円台前半で推移しました。

今週の見通し

欧米、アジアの株価安定で下げ渋る可能性

今週のユーロ・円は下げ渋る可能性があります。欧州諸国における新型コロナウイルスまん延の影響が警戒されており、新規のユーロ買い・円売りについて慎重な投資家は少なくないようです。ただ、アメリカの長期金利は低下しており、ユーロ売り・米ドル買いは縮小していること、日本の長期金利は伸び悩んでいることから、金利面でユーロ売り・円買いが広がる状況ではないとの声も聞かれています。欧米、アジアの株式市場の動向が手掛かり材料となり、これらが安定した値動きを見せた場合、ユーロ・円は主に130円台で取引される可能性があります。

執筆者:フィスコアナリスト 小瀬正毅

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