2021年5月19日号

ユーロ/円

テクニカル分析

底堅い動きを維持する可能性

日足のローソク足では、4月27日に実体部分の長い陽線が観測されており、5月12日にはやや長い下ヒゲを残した陽線も出現しており、ユーロ・円は底堅い動きを維持しています。5月14日時点で25日線を大幅に上回る水準に位置しており、ローソク足チャートでは、ユーロ急落につながる証拠は提示されていないと判断します。心理的な節目である131円、4月27日の安値130円57銭近辺が当面の下値となりそうです。上値の目途は心理的な節目である133円を想定します。25日移動平均は目先的に上向きの状態が続くものの、ローソク足が25日線を継続的に下回る状況になるまでは、ユーロ・円は底堅い動きを維持する可能性が高いと予想されます。

・ユーロ・円の想定レンジ:130.55円-133.00円

先週の概況

欧州委員会の経済見通し改善でユーロ買い強まる

先週のユーロ・円は強含みとなりました。アメリカのインフレ関連指標は市場予想を上回ったことから、ユーロ売り・米ドル買いが優勢となりました。しかしながら、欧州委員会の経済見通しで今年のユーロ圏経済成長率予想は従来の3.8%から4.3%に引き上げられたことから、5月13日に132円73銭までユーロ高・円安に振れる場面がありました。

今週の見通し

ユーロ圏経済のさらなる良化を期待して底堅い値動きに

今週のユーロ・円は、底堅い値動きを維持すると予想されます。ユーロ圏の製造業、サービス業の業況指標がさらに改善する可能性は低いものの、ユーロ圏経済は夏場にかけてさらに良化するとの見方が多いことから、リスク回避のユーロ売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いと思われます。欧米諸国の株式相場が安定すれば、ユーロ・円は主に132円台で推移し、底堅い値動きとなる可能性があります。

執筆者:フィスコアナリスト 小瀬正毅

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