2021年7月7日号

ドル/円

テクニカル分析

短期的には112円を目指す展開に

ドル・円の日足のローソク足では、6月24日から29日まで4日連続で陰線が残されており、ドルの上値は重くなっていましたが、25日移動平均の上に位置する状態が続いていました。6月30日に実体部分の長い大陽線が観測されており、7月1日も実体部分がやや長い陽線が出現したことから、ドル安円高の流れはひとまず止まったと判断します。3月31日の高値110円97銭をローソク足の実体部分で超えたことから、ドル高円安の流れはしばらく続くと予想されます。短期的な下値目途は6月30日の安値110円42銭近辺、上値の目途は112円と想定します。具体的なドル売り材料が提供されない場合、ドル・円は110円台半ば近辺から111円近辺の水準で下げ渋り、底堅い動きがしばらく続くと予想されます。

・ドル・円の想定レンジ:110.50円-112.00円

先週の概況

量的緩和策縮小予想でドル買い強まる

先週のドル・円は強含みとなり、昨年3月以来となる1ドル=111円台後半までドル高・円安が進行しました。6月30日発表の6月ADP雇用統計で民間部門雇用者数は市場予想を上回ったことや、7月1日発表の新規失業保険申請件数は減少したことから、リスク選好的なドル買いが活発となりました。国際通貨基金(IMF)が「量的緩和策の段階的な縮小(テーパリング)は2022年前半の開始が必要となる可能性が高い」と指摘したこともドル買い材料となったようです。

今週の見通し

底堅い動きか、FOMC議事要旨が手掛かり材料に

今週のドル・円は、底堅い値動きが続くと予想されます。7月7日(日本時間8日未明)に公表される連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(6月開催分)が有力な手掛かり材料となりそうです。議事要旨で比較的早い時期における金融引き締めの意見が多く確認された場合、ドル売りは後退し、1ドル=111円台定着の可能性がありそうです。新たなドル売り材料が提供されない場合、ドル・円は主に111円台で推移すると予想されます。

執筆者:フィスコアナリスト 小瀬正毅

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