2021年7月14日号

ユーロ/円

テクニカル分析

短期的には129円を試す可能性

ユーロ・円の日足のローソク足では、7月2日から8日まで5日連続で陰線が観測されており、ユーロの上値は一段と重くなっています。6月17日以降、ローソク足は25日移動平均の下に位置する状態が続いており、この時からユーロ安円高の流れは変わっていないと思われます。7月6日に実体部分がやや長い陰線が残されており、この日の安値である131円02銭近辺が短期的な上値目途になりそうです。一方、下値目途は心理的な節目である129円近辺を想定します。具体的なユーロ買い材料が提供されない場合、ユーロ・円は129円近辺を一度試す可能性があり、この水準を下回った場合、200日移動平均が位置する128円20銭近辺までユーロ安円高が進行する可能性があり、要注意となります。

・ユーロ・円の想定レンジ:129.00円-131.00円

先週の概況

金利先高観後退でユーロ売り強まる

先週のユーロ・円は弱含みとなりました。ドイツの7月企業景況感の低下、ユーロ圏の5月小売売上高が市場予想を下回ったことを受けてユーロ売り・円買いが先行しました。また、欧州中央銀行は7月8日、一時的に2%超のインフレ率を容認すると発表したことから、ユーロ圏の金利先高観は一段と後退し、ユーロ・円は4月下旬以来となる129円63銭まで下落しました。

今週の見通し

弱含みか、ユーロ圏5月鉱工業生産が手掛かり材料に

今週のユーロ・円は、弱含みの状態が続くと予想されます。7月14日発表のユーロ圏5月鉱工業生産が市場予想(前月比+0.2%程度)を下回った場合、域内経済の早期回復期待は低下し、リスク回避的なユーロ売り・円買いがやや強まる展開が予想されます。米ドル・円相場に大きな動きがない場合、ユーロ・円は130円を挟んだ水準で推移し、伸び悩む状態が続くと予想されます。新型コロナウイルス・デルタ株のまん延も警戒されており、ユーロ売り材料になるとみられています。

執筆者:フィスコアナリスト 小瀬正毅

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