2021年7月21日号

ドル/円

テクニカル分析

110円を挟んだ水準で推移か

ドル・円の日足のローソク足で7月2日から8日まで5日連続で陰線が観測されていますが、7月8日に長い下ヒゲが残されていること、7月9日-13日に3連続の陽線が観測されていることから、短期的には110円を挟んだ水準での取引が増える可能性があります。ただ、7月14日以降のローソク足の位置は25日移動平均を下回っており、ドルに対して強気になれない状態が続いています。7月8日の安値である109円54銭近辺が短期的な下値目途になりそうです。一方、上値目途は25日移動平均が位置する110円50銭近辺と7月8日の高値110円71銭近辺が意識されそうです。具体的なドル買い材料が提供されない場合、ドル・円は109円台半ばから前半までの下げを一度試す可能性があり、この水準を下回った場合、心理的な節目である109円近辺までドル安円高が進行する可能性があります。

・ドル・円の想定レンジ:109.00円-110.70円

先週の概況

量的緩和策の早期縮小観測後退でドル売り優勢

先週のドル・円は伸び悩む展開となりました。7月13日発表の6月消費者物価コア指数は前年比+4.5%の高い伸びを記録し、一時110円70銭までドル高円安に振れる場面がありました。しかしながら、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は14、15日に米議会上下両院で行われた議会証言で、「インフレの上昇は一時的、経済が緩和縮小の条件を満たすのは程遠い」との見解を伝えたため、量的緩和策の早期縮小観測は後退し、長期金利は低下したことから、ドル・円は一時109円60銭近辺まで反落しました。

今週の見通し

やや底堅い値動きか、将来的な利上げの可能性残る

今週のドル・円は、やや底堅い値動きとなりそうです。量的緩和策の縮小時期が早まる可能性は低いものの、直近のインフレ率は市場予想を上回っています。今秋発表されるアメリカの6月中古住宅販売件数や7月マークイット製造業・サービス業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回った場合、アメリカ経済の持続的な回復を示唆するデータが追加されることから、将来的な金利引き上げの可能性は一層高まり、ドルは主要通貨に対して強い動きを見せる可能性があります。

執筆者:フィスコアナリスト 小瀬正毅

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