2024年7月31日号

ドル/円

テクニカル分析

ドル安一服も大幅反発は期待薄か

ドル・円の日足ローソク足では、7月22日から24日にかけて3営業日連続で陰線が出現したものの、25日に長い下ヒゲを伴う陽線が出現したことによってドル安円高の進行は一服しました。ただ、25日移動平均は下向きに変わっており、ドルの大幅反発は難しくなりそうです。当面の上値目途は7月19日の高値(157円86銭近辺)と7月24日の高値(156円00銭近辺)の2点が想定されます。一方、当面の下値目途は7月24日の安値である153円11銭近辺と7月25日の安値(151円94銭近辺)の2点が想定されます。日本銀行は7月30-31日開催の金融政策決定会合で今後1-2年程度における国債買い入れの減額計画を取りまとめる見込みですが、利上げの是非についても議論されるもようです。今回の会合で政策金利の据え置きが決まった場合、ドル買いが活発となる可能性がありますが、7月19日の高値を超えることができなかった場合、リスク回避的なドル売り・円買いが再び強まる可能性があるので注意が必要です。

ドル・円の想定レンジ:152.00円-156.00円

先週の概況

日銀7月利上げを警戒してリスク回避のドル売り強まる

先週のドル・円は弱含みとなり、一時152円を下回る場面がありました。自民党の茂木幹事長は日本銀行に対して金融政策の正常化を推進するよう求めており、7月利上げ観測が急浮上したことから主要通貨に対するリスク回避的な円買いが活発となりました。7月に利上げが実施された場合、物価動向次第となるものの、10-12月期にも追加利上げが行われる可能性があることもドル売り・円買いが急拡大した一因となりました。週末前のドル・円は主に153円台で推移しました。

今週の見通し

日米金利差縮小の思惑でドル買い抑制も

今週のドル・円は伸び悩む可能性があります。7月30-31日開催の日本銀行金融政策決定会合で追加利上げの是非について議論される見込みです。日本国債の買い入れを減額する計画について具体的なプランも提示されることから、利上げ見送りとなった場合でも9月に利上げが行われる可能性があるため、リスク選好的な円売りが増える可能性は低いと予想されます。一方、同日に開かれるアメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では政策金利の据え置きが決まる見込みですが、次回会合で利下げについて議論される可能性が高いため、政策金利の据え置きが決まった場合でもリスク選好的な米ドル買い・円売りが増える可能性は低いと予想されます。

執筆者:フィスコアナリスト 小瀬正毅

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