2025年4月9日号
ドル/円
テクニカル分析
米ドル安円高の流れはしばらく続く可能性
米ドル・円の日足ローソク足で4月3日に実体部分が長い大陰線が出現したこと、3日の終値は25日移動平均を下回る水準まで下落(米ドル安円高)していることから、米ドル安円高の流れはしばらく続く可能性が高いと予想されます。当面の下値目途は3日の安値である145円19銭近辺と心理的な節目である145円近辺の2点が想定されます。145円を明確に下回った場合、2024年9月16日につけた139円58銭(140円割れ)まで米ドル安円高が進行する可能性が浮上するため、要注意となります。一方、当面の上値目途は心理的な節目である150円近辺と3月28日の高値(151円21銭近辺)の2点が想定されます。アメリカのトランプ政権による相互関税措置は世界経済の不確実性を高めており、欧米、日本の株式相場の下落を促す要因となりました。ただ、現時点で日本とアメリカの金利差が大幅に縮小するとの見方は少数であるため、新たな米ドル売り(円買い)材料が提供されるまでは、リスク回避的な米ドル売り・円買いが一段と強まる可能性は低いと思われます。
米ドル・円の想定レンジ:145.00円-150.00円
先週の概況
米ドルは軟調推移、株安や長期金利の低下を嫌気
先週の米ドル・円は軟調推移となり、一時145円台前半まで米ドル安円高に振れる場面がありました。相互関税が世界経済や日米の金融政策にどう影響するか、正確に予測することは困難であるため、リスク回避的な為替取引が拡大しました。日本、欧米諸国の株式相場が下落し、週後半にアメリカの長期金利が低下したことも米ドル売り・円買いを促す要因となりました。
今週の見通し
米ドルは下げ渋りか、日米金利差の大幅縮小の可能性低い
今週の米ドル・円は下げ渋る可能性があります。アメリカのトランプ政権による相互関税措置は世界経済に悪影響を及ぼすことが懸念されているものの、アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)による追加利下げ観測が後退した場合、日米金利差の大幅縮小観測は後退し、リスク回避的な米ドル売り・円買いがさらに拡大する可能性は低いと予想されます。また、国内外の経済情勢を考慮して日本銀行は政策金利を長期間据え置く可能性があることも米ドル安円高の進行を阻む一因となりそうです。
執筆者:フィスコアナリスト 小瀬正毅
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